天佑神助(Y.M) ページ13
2021年 冬
どうしよう。
かなりやばい状況だぞこれ
ｺﾞﾎｯ...ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ...
咳止まんない
寒いし、熱いし……
原因は、
絶対昨夜にある。
――
＜優勝おめでとう！＞
昨日は、
リーグ戦でボルシアが優勝のためチーム内はお祭り騒ぎ。
＜さすが我が10番！＞
＜ありがとう＞
自慢ではあるが背番号10番の俺は全試合出場で好成績を残すことが出来た。
＜Aのおかげでボルシアも鼻が高いよ！＞
＜ほんとに？ヤンがしっかりゴール前守ってくれたおかげだよ＞
普段から仲のいい選手と交流を深める。
＜Aに捧げて乾杯！＞
＜乾杯＞
お酒も大して飲めるわけじゃないのに、場の空気に流され沢山飲んでしまう。
＜全然飲んでないでしょ？＞
＜飲んでる飲んでる＞
ドイツのビールは美味いからと、
グイグイ飲まされる。
＜ほら、乾杯！＞
＜かんぱーい＞
あー、
全然記憶がない。
「もう無理……。限界、吐きそう」
＜大丈夫？きみなんでそんなに酔っ払ってるのさ＞
ケラケラと笑うチームメイトのラースにもたれかかる。
相変わらずラースはイケメンだなとか日本語攻撃をしたのは覚えている。
だが、覚えているのはここまでだ。
――
「んん……ごほっ」
気がついたら朝になってた。
ズキズキする頭を上げ体を起こす。
どうやらあのままロッカールームで寝ていたらしい。
ロッカールームは昨日のまま。瓶とか缶とか色々散乱していてびっくりするほど汚い。
メンバーもそのまま雑魚寝状態。
酒臭い
うわ、最悪……
なんで俺上裸なんだよ。
いつ脱いだ？
ああ、頭痛い。体が重い。
「ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ...」
咳が出る。
そりゃそうだ。
真冬のロッカールームで上裸で寝てたら風邪ぐらい引くだろう。
とりあえず家に帰ろう。
絶対昨日のお酒は抜けてないと思い歩いて帰ることにする。
歩いて帰れるか？
いや歩いて帰るしかない。
朦朧とする頭で必死に考える。
外は雪が降ってて思った以上に寒い。
寒いのに体は火照って熱い。
だるい。
重たい足を引きずりながらフラフラと歩いていく。
「ゴホッゴホッ」
結構歩いたけどまだ着かないのか……
これじゃあ家に着いたところでそのまま死ぬ可能性も出てきたぞ。
滉くんはオランダだし、碧は……
スマホ、ロッカールームに置いてきたわ。
連絡出来ないじゃん。
おぼつかない足取りで雪で足を滑らせ転ぶ。
「いって、」
もう無理だぞ。
→
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かんざき(プロフ) - かむかむさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです。リクエストご期待通りに仕上がるか分かりませんがちょっくら書いてみたいと思います！待っていてください (2023年1月27日 22時) (
レス) id: 5412be5dc6 (このIDを非表示/違反報告)
かむかむ - 雷雷､とっても面白かったです！リクエストが可能かは分かりませんが､こんな感じのお話を17番さんで見てみたいです！ (2023年1月27日 18時) (レス) id: 824bd81ecb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かんざき | 作成日時：2023年1月17日 17時
