〈rkrn〉その少女、武人につき。 (ページ3)

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一話開幕ページ3

sideA

A｢はぁ…はぁ…はぁ…｣

薄暗い廃墟の中で

一人壁に背を預け硝子の割れた窓からヨーロッパの夜空を見た。

先ほど敵に撃たれた左腹部は酷く損傷し

いくら止血を行っても
それを嘲笑うかのように血が溢れ出ては

床を赤一色に染め上げる。

きっと私は朝が明ける時には物言わぬ屍になり

身体は全ての機能を停止させるだろう。

まるで人事の用に考えては

無意味な事だと一人考えるのを止めた。

それでも…。

考えるのを幾ら止めても冷めていく体温と平行して

言いようの無い寂しさが私を包む…。

A｢あはは…。もう…手も動かない…な｣

とうとう私と言う人間の一生が

終わりを向かえるのだろう。

長いようで短い人生だった…。

身体の感覚が無くなり意識までもが沈み出す。

せめて…。

最後の時はよく知った日本の土地で死にたかったなぁ…。

ゆっくりと瞳を閉ざす…。

その時だった。

？｢あぁ～…。ゴメンゴメン。ちょっとストップー!!｣

その空間に誰かの陽気な声が響いた。

最後にその言葉を聞き

私の意識は闇の中に落ちた…。

まさかあんな事になることになるとは…。

誰も想像もしないだろう…。