＋３８ ページ43
Aside
『...なんですか。』
病室を出て連れてこられたのは屋上で。
風が強いせいか、人は俺らくらい。
..."お話"にはもってこいやんね。
『あ、俺は大丈夫っすよ？別に、過去話したくらいですし。』
内容は、話したことについてだろう。
へら、と笑って見せれば、クラレ先生は顔を顰めた。
kr「...A君、君は、笑えてないよ。」
『...は、』
はくり、と息が零れる。
わらえてない？
だれが？
...おれ、が？
『...っ、やだな、俺は笑ってますよ？』
kr「...今、本当に笑えてる？」
『当たり前やないですか。俺、笑顔がトレードマークなんすよ？』
冷や汗が背中を伝う。
大丈夫、笑ってる。笑ってる。
クラレ先生、何か可笑しいやんな。
...俺は、大丈夫やんな？
kr「どうしてA君は人に頼れないんだい？」
『頼る理由もないですし、迷惑じゃないんすか、』
kr「...誰が、迷惑と言ったんだい？」
『そんなん、言われなくても分かりますよ。』
kr「誰も、迷惑と思わないよ。...もっと、助けてと言わないと、壊れてしまうのはA君だよ？」
『ははw壊れる？俺がです？大丈夫ですよ。』
kr「...本当の事を知った彼らは、鬱くんに構い倒すだろうね。」
『それが？いい事ですよw』
kr「君は、鬱くんじゃないんだから。...もっと、自分を見てあげなよ。」
自己管理は出来てるやん。
...これ以上、何を見んのや。
kr「...A君は、充分頑張った。でも、足りないとこもある。」
『...え、』
kr「もっと自分にワガママになるんだよ。」
頭に手を置かれて、撫でられる。
kr「....沢山、頑張ったんだよ。A君は。」
懐かしい記憶が入ってくる。
小学生の頃の母親だ。
頑張ったね、と良いながらうみを褒める姿。
...それを、何度望んだのか忘れたけど、してもらった事はある。
でも、建前のあれとは、違う。
糸が解けたように、涙が零れだす。
おれ、みとめられた？
頑張れた、初めてや。
都合よく変えてた母の手じゃない。
...俺も、頑張ってたんや。
って、証明してくれる、暖かい手や。
『クラレ先生、俺、頑張ってたんすね。』
それにさえ、気付けんかった。
少しして、涙が止まってから病室に戻る。
楽しそうに笑ううみの表情も、俺が取り戻せたものなんやな。
...自分を褒めるのも、大事、なんやな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 744人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆとは(プロフ) - 苺華さん» へ、泣かんでください...？まだ続き書くんで、涙は最後に残してください...。(？) (2019年10月5日 7時) (
レス) id: f7fb952562 (このIDを非表示/違反報告)
苺華 - やばい、、泣きそう笑 (2019年10月4日 23時) (レス) id: 1128e57cc5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとは(プロフ) - 紗柿さん» え、純粋に嬉しいです。僕自身、語彙力が足らないのに、そう言って頂けるととても嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年7月7日 18時) (レス) id: 3a54a8b465 (このIDを非表示/違反報告)
紗柿(プロフ) - 作者様の選ばれる言葉とか表現が好きです！これからも更新頑張ってください、応援してます！ (2019年7月7日 18時) (レス) id: 1a7abc7277 (このIDを非表示/違反報告)
ゆとは(プロフ) - 雪うさぎ@国民同盟/新垢さん» ん？？？あの、ありがとうございます！主が無能系は確かに多いっすね。いや、でも、ふと思ったんすよ。...両方実は有能にしてしまえば？と(語彙力)コメントありがとうございます！ (2019年7月6日 21時) (レス) id: 3a54a8b465 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆとは | 作成日時：2019年6月28日 21時
