WANTED (ページ24)

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船長は誰？（青）ページ24

海賊団にお世話になることに決まった後、俺は重大な事に気が付いた。

船長は誰なのかという事に。

もしかしたら今いる4人の他にも団員がいるのかもしれないと思ったが、どうやら4人だけらしい。

「あの～、船長はどこにいるんですか？」

今まさに考えていた事を先にシゲが聞いてくれたので心の中でガッツポーズを作る。

すると4人はキョトンとした顔で顔を見合わせると、ジュンタさんが言った。

「そう言えば決めてへんかったわ。」

「え。」

つい心の声が出てしまい、慌てて口をつぐむ。

まさかまだ決まってないとは思ってなかった。

「っていうか海賊団の名前すら決めてへんやん。」

カミちゃんの指摘にアキトさんとタカヒロさんはへへへと笑っている。

「会議しよ！会議！」

アキトさんの号令で全員で輪になって座り、会議が始まった。

「まずは海賊団名から決めよか。何か案ある奴おる？」

ジュンタさんが皆に話を振ると、カミちゃんがおずおずと手を挙げた。

「俺的には特徴とかじゃなくてでっかい野望を掲げたような名前がいい。」

野望か……。

それは一体何なんやろう。

ボーっと考えていると、アキトさんが手を挙げる。

「それやったらWEST海賊団はどうや？シーウエスト代表！みたいなさ。」

「「「それ良い！」」」

盛り上がる4人に置いてけぼりの俺とシゲ。

「2人は何かある？」

気を聞かせてくれたタカヒロさんに言われても、俺たちは首を横に振るだけ。

やって生活させてもらう身やからな。

決定権なんてないやろ。

そう思っているとジュンタさんとバチっと目が合う。

「もうこの海賊団の一員やねんから、遠慮はいらんで。敬語もいらんし呼び方も皆と一緒でええからな。」

いきなりそう言われて困惑する俺達。

やけど『その方がええわー。』『うん、助かる。息苦しいし』『ジュンタ、ナイスアイディア！』なんて言われてしまった。

俺ら、めっちゃ良い海賊団に拾われたんかもしれん。

新参者の俺達への対応を見て、そんな事を思った。