五月二十ニ日 ページ12
今日は珍しい一日やった。
精神的に参っている俺の姿を見て、何とかしないといけないと判断されたのかもしれない。
例えそうやったとしても、嬉しかった。
桐山さん、中間さんと晩酌を共にした。
晩飯後、特にする事もない俺はいつものように日記を書こうとした。
そしたらあの二人が酒片手に部屋にやって来た。
「この部屋の感じ懐かしいわー！」
なんて言って桐山さんは俺の向かい側、梅が使っていたベッドに腰を下ろした。
中間さんも少し遅れて同じように腰掛けた。
そうして多分最初で最後の晩飯が始まったんや。
軍人になったきっかけは、二人共全く違うらしい。
「家が貧乏でな、良い給料貰う為に軍人になったんや。ただ、海が好きやったからせめて海軍に配属させてくれーって頼んだわ。」
結局金の為やと呟く桐山さんは、少しだけ悲しそうに見えた。
対して中間さんは親が軍人やったから、自然と自分も軍人になるんやろうと思っていたらしい。
やけど、運動神経が悪すぎて陸軍では使い物にならず、不器用すぎて空軍でも使い物にならんかったとか。
「何とか海軍でならやっていけてるわ。照史のおかげでな。」
と、自虐的に笑っていた。
全く環境が異なる二人なのに、お互いの事を信用しているんやな。
そして、初めて戦場に行った時のことも聞かせてくれた。
「最初はそら、めっちゃ怖かった。やけど何回も経験していくうちに俺の大好きな海は全て包み込んでくれるんやなって思ったら怖くなくなってん。」
血も、人も、武器も、船も、全部海は飲み込む。
それを桐山さんは″包み込む″と表現した。
そんな考え方もあるんやな。
対して中間さんは未だに怖いらしい。
意外やった。
「やって怖いやん。皆一緒や。死にたくない。やけど死なない為には戦わなあかん。」
士官も一人の人間なんやな。
当たり前の事に気づかせてくれた気がする。
そろそろお開き、というところで思い切って第七陸軍の士官はどんな人なのか聞いてみた。
「「優しい。」」
と、同じ事を言っていた。
二人が口を揃えて優しいと言う、その士官の元に配属させて貰える事に少しホッとした。
「ただ、優しすぎるところがあいつの悪いところや。」
桐山さんの呟きに中間さんも大きく頷いていた。
陸軍では強行突破をしかける為、相当キツイ戦いになるやろうとも教えてくれた。
陸軍での士官は�霤弔気鵑箸いΔ蕕靴ぁ�
俺は一体どうなるんやろうか。
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かんた(プロフ) - #TODAYさん» 感想ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです＾＾ (2021年3月13日 11時) (
レス) id: b73ff05158 (このIDを非表示/違反報告)
#TODAY(プロフ) - 素敵な作品を、ありがとうございました。いつまでも心に残る作品になりました！ (2021年3月13日 7時) (レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かんた | 作成日時：2021年2月2日 15時
