五月十五日 ページ3
今日から銃機の扱いなどの訓練も追加された。
銃なんて初めて触ったけど難しい。
ただ、俺のように射的が下手やと銃の腕も下手みたいや。
何回も怒られたけど、当たらんもんは当たらん。
的は大きな紙に人間の形を描いたもの。
まずは的に当て、コツを掴んだら頭とか胸に狙いを定める。
実戦で使う為だけに練習するんやろうなって実感した。
後は機関銃や大砲の取り扱い方。
正直、そんな事知りたくなかったな。
そして訓練の後に今後の作戦の説明を受けた。
所属している第七海軍の軍艦はこれから集合場所まで進む。
全十艦隊が全国各地から集まって来るらしい。
俺と同じように招集された男たちがたくさんいるんやろう。
全十艦隊が揃い、本隊である空母と一緒に敵地へ乗り込むんやって。
やから、敵襲とか嵐とかがない限りは後三日程は訓練を受ける毎日になるんやろう。
軍隊に入って驚いた事がある。
まずは白米が食べられる事。
家では手に入らなかったおむすびが毎食出てきた。
しかも二個！
久しぶりの米が嬉しすぎて、味わう暇も無く食ってしもた。
でも、国の為に戦う軍人には白米が行き届いている事にホッとした。
次に士官達が優しかった事。
勝手な想像で、威張り散らしたり体罰なんて当たり前にあるもんやと覚悟してた。
けどそんなんは一切ない。
まだ二日過しただけやけど。
桐山さんは訓練の様子を見に来ては的確な助言をくれる。
「藤井！脇を閉めるんや！」
この言葉、今日で五回くらい言われたと思う。
それでも怒らずに笑いながら「もうくくっといたろかー？」なんて冗談まで言ってた。
中間さんはあの狭い四人部屋の心配をしてくれた。
多分俺が一番でかいからやろう。
百六十センチ代の身長の人らがほとんどで、俺が来るまでは中間さんが一番高身長やったらしい。
寝床の狭さを身をもってわかってるからこそ、気を使ってくれたんやと思う。
案外、上手くやっていけてる。
第七海軍で良かった。
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かんた(プロフ) - #TODAYさん» 感想ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです＾＾ (2021年3月13日 11時) (
レス) id: b73ff05158 (このIDを非表示/違反報告)
#TODAY(プロフ) - 素敵な作品を、ありがとうございました。いつまでも心に残る作品になりました！ (2021年3月13日 7時) (レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かんた | 作成日時：2021年2月2日 15時
