ビビバスKAITO 失敗作 ページ12
彰人side
涙を抑えて、なんとか落ち着いてきた時
冬弥が、何かに躓いて転びそうになっていた
足元を見ると、そこには見覚えのあるターンテーブルがあった
「え…これって…」
忘れるはずのない
「KAITOさんの、ターンテーブル？」
リンとレンに、これを使って教えていた
KAITOさんのターンテーブルだった
「…なんで、こんな所に…」
そう言って、こはねが後ずさった
その時、何処からか声がした
【失敗作】
【男じゃダメだった】
【青いの誰？】
それは、すごく冷たい声で、すごく辛い言葉だった
名指しでの言葉じゃないけど、誰に向けて言ってるのかは分かってしまう
『ね？ボクは、失敗作なんだ』
『まったく売れなくて…作った人からも失敗作って言われちゃったw』
『だからボクは、……を…………にしたの』
それは、紛れもない、KAITOさんの声だった
「……」
聞いてるうちに、いつのまにかいる所はセカイではなかった
真っ暗で、自分が何処にいるかもわからなくて
そして、奥から足音がする
どんどん近づいてきて…
それは、俺達の目の前に立っていった
「…みんな！バイバイ！」
その足音の主は、KAITOさんだった
いつもの、ヘラヘラと笑っているストリートのセカイのKAITOさんだった
いや、ストリートのセカイのKAITOだけじゃない
学生の制服を着ているKAITO
王子様のような服を着ているKAITO
アイドルのような服を着ているKAITO
そして、中心には現実世界でよく見る、青いマフラーに白いコート。オリジナルのKAITOがいた
「ボクは、成長しない」
「俺は、いつもみんなを困らせる」
「僕は、座長というアイデンティティしかない」
「僕は、みんなみたいに自信を持ってステージに上がれない」
「自分は、失敗作から失敗作を生み出した」
『だから、もう終わらせる』
「そんな事ない！」
俺は叫んでしまった
そうじゃないと、崩れてしまいそうで
そうしたら、俺達じゃない声も聞こえてきた
「KAITOは、私にアドバイスをくれた」
「KAITOはいつもオレ達の面倒を見てくれる！ぬいぐるみさん達の事も見ているぞ！」
「KAITOさんは、相談に乗ってくれたり、マネージャーとしても感謝してる。きちんとアイドルもカッコいい！素敵だよ！」
どこかで聞いたことのある声で、すべての人が、KAITOに想いを伝えていた
そして…
「…KAITOは、2人目のVOCALOIDとして素晴らしかったよ」
電子音の声も聞こえる
でも、もうKAITOさんは、いつのまにかいなくなっていた
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奏多 - リアルでした…奏なら本当にあるかもしれませんね。早く救われて欲しいです。 (2022年9月18日 23時) (
レス) @page1 id: 82ec0e1b3e (このIDを非表示/違反報告)
河合 - 東雲兄弟、私の欲望をガッツリ入れているのでちょっと注意です (2022年8月28日 18時) (レス) id: b19d72a5db (このIDを非表示/違反報告)
河合 - あみみゃまさん» ありがとうございます！ (2022年8月27日 14時) (レス) id: b19d72a5db (このIDを非表示/違反報告)
あみみゃま - すごく面白いです (2022年8月27日 13時) (レス) @page19 id: 29c5e9b820 (このIDを非表示/違反報告)
河合 - 綿菓子さん» ありがとうございます！ (2022年8月21日 18時) (レス) id: b19d72a5db (このIDを非表示/違反報告)
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