寒色系なお兄さま達☆

5 藍side ページ9

藍side


貴「すぅ……すぅ…」


Aは安心したのか、
ボクの腕の中ですやすやと寝息をたてた。


藍「全く、気持ち良さそうな顔して…」


ボクはAの頭を撫でながら、寝顔を見つめていた。ボクのいとおしい大切な妹。世界で一番大好きな人。だからこそ、ボクの“想い”は蓋をして閉じなければならない。
決して、伝えてはいけない“想い”。
いつかAが彼氏を連れてきても、ボクは平常心でいれるだろうか？心から祝ってあげられるだろうか？もしも出来なかったら最低な兄だ。
そんな兄には絶対なりたくない。
でも、まだその時は先だ。
今は無理でもいつかは自分の気持ちを葬り去らないといけない。


藍「昔は泣かなかったのに、最近はよく泣くようになったね…」


最近のAはよく独りで泣くようになった。
理由を聞いても

「目が乾燥した」

とか

「本を読んで感動した」

とか偽りの言葉ばかりが返ってくる。
無意識の内にボクはAの頬を撫でた。
するとAはボクの手にすりすりと頬を寄せてきた。









ねぇ、Aは何を独りで抱えてるの？





ボク……ボク達じゃ頼りない？





そうやって何も言わず独りで無理して背負い込む。





いつか壊れるよ。





いつからか闇の中で生きている。





ボクが助け出してあげる。





助けた時には少しはボクの事、





異性として





男性として見てくれる？





兄妹ではない男のボクを…

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