それでも君に恋をしてる ＊Sho.S＊

＊15話＊ ページ15

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翔さんと一緒に行ったお店は

結構列ができていて２人で並んだ。



パタパタと手で扇いでみるけど効果なし。

全く暑さは紛れない。





翔「人の多さが尋常じゃない」

A「そうですね。でもこういうところの焼きそばって美味しいですよね」

翔「わかる。シンプルでいいよね」

A「はい。母の作る焼きそば、前の晩の余り物とか色々入ってたので。それはそれで美味しかったんですけど」

翔「あれ、今一人暮らしだっけ？」

A「はい」

翔「料理すんの？」

A「…練習中です」

翔「ははっ」





そんな他愛もない話をしてる間に

あっという間に自分たちの番が来てしまって

皆の分のご飯も買って大漁大漁。



それから、何故かイチゴのカキ氷も奢ってもらった。

え？なんで？って聞いてみたら






翔「なんか似合うじゃん(笑)」






って。よくわかんない。喜んでいいのかな。






A「あ、おいしい」

翔「よかった。他の子にはナイショな？」

A「ふふっ。翔さんも食べますか？」






シャリ、とピンク色の氷をすくってそう聞くと

一瞬止まって、葛藤の顔。



焼きそばが沢山入ったビニール袋を持った手で、

ぽりぽりと頰をかく。






翔「あー…いい。ありがと」

A「…そうですか」






…ちょっと食べたそうな顔してると思ったんだけど。

私の思い違いだったかな。



翔さんの何故か申し訳なさそうな顔に

ちょっとだけ違和感を感じて

微妙な空気になったのが申し訳なくなったから






A「…翔さんも舌ピンク色になったら、共犯になると思ったのに」

翔「な、え！？そういう事？」

A「私だけピンクでバレちゃったら、罪被せられないじゃないですか」

翔「んだよ危ねぇ！優しさかと思ったのに！(笑)」

A「ふふっ」






ちょっと冗談でそう言ったら

楽しそうに笑ってくれたから安心した。



パク、とまた一口カキ氷を食べると

舌の上で小さな氷が溶けて、心地よい冷たさ。



結局着くまでに食べ終われなくて

帰ってからユリたちと分け合いながら食べた

イチゴ味のかき氷が美味しかった。

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