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放課後、神ちゃんと待ち合わせ。
待ち合わせ場所やった中庭に神ちゃんを見つけて、声をかけようとしたら、また隣にはアイツ。
2人の身長差は、お似合いで、俺と並んだときとは訳が違った。
めっちゃなで肩やけど、背中は逞しくって男らしい。俺とは、違う。
あぁ、神ちゃんは、あーゆーのがタイプなんかな。俺なんてもう…飽きられたかも。
心の中で自己嫌悪に陥ってるとき、目の前の神ちゃんがすこし躓いて、その肩をハマダが抱く。
距離が近くって、まるで恋人、みたいな。
ふと思い出した、どこかの誰かたちの会話。
フツフツと湧き上がる、俺の余裕のない心。
神ちゃんの恋人は、俺やし。神ちゃんをいちばん愛してるのは、俺や。
そう思うと勝手に足が動いてて、ふたりの間を引き裂いて、ハマダに目を向けた。
「え、しげ…?」
「距離、近ないっすか。ともは、俺のです」
あーあ、バラしてもた。それに、いつも呼ばへん名前でやなんて。怒られるかな、これでもう完全に、冷められるかも。
とか思いつつ、目の前のハマダを牽制するみたいに、下からキッと睨みつける。
なんや、言いたいことあるならなんか言いーや。その思いも込めて、俺の目線より上におるハマダの方に目を向ける。
と、ソイツは ニコォッと笑って、俺の方を見下ろしてきた。
「ンはは!君かァ!噂のシゲオカくんは!」
「…え、」
思い切り、修羅場になる覚悟やったし。笑いながら言われた瞬間は コイツふざけてんのか?と思ったけど、どうやら違うらしい。
「いつも、神ちゃんから話聞いてるで?神ちゃん、口開くたんびに しげが、しげが〜〜って言うねんもん、もう覚えてもたわ〜〜」
「ッッちょ!!はまちゃん!?!!」
目をクシャクシャにして笑う ハマダ と それに対して怒る神ちゃんは、俺の事なんか置いてけぼり。
待ってや、なんや、どうゆうこと?
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作者名:ぴな | 作成日時:2023年1月14日 19時