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……やっぱり、こっちも大人になって仲裁しておけばよかったと、激しく後悔することになります。
夕食の時間、なかなかの地獄をみました。
「おかんー、のんちゃん今度の土曜日公園行きたい!」
「えー?いいけどなんでまた急に?」
「逆上がりの練習したいねん!」
「それは怖すぎる、私じゃ無理。おとんに頼んでみな?」
「おとん!教えて!」
「まぁ、ええけどやな……そういうのは崇裕のほうが、」
「っ、……。」
……伝わるでしょうか。いつも通り話しているのに、崇裕が絡むと途端に黙って崇裕の様子を伺います。
そして、崇裕が泣きそうな目で私をみてくるのです。
どうしたものでしょうか。
「……なぁ、望。そろそろ崇ちゃんに謝った方がええんちゃう?」
そう切り出したのは、またしても流星。
「うぇえ?」
さっきの光景を知らない崇裕は、流星と望を見比べて、目をしばしばさせています。
「いくら優しい崇ちゃんやって、謝らんと許してくれへんのとちゃう?」
「いや、俺はもう……」
崇裕が余計な口を挟もうとしましたが、両親にキッと睨まれて、
「なんでなぁん……」
と、しょげた顔で口をつぐみました。
「望?」
「崇ちゃん……わがまま言うてごめんなさい!」
「っ!!ええよぉ!のんすけ!謝ってくれてありがとぉ!」
なぜ謝られた側が感謝してるのかは謎ですが、二人は戦地から帰ってきた夫を迎える妻のような、熱い抱擁をかわしているので、突っ込まないでおきましょう。
「俺はただ、のんすけにも釣りの楽しさを知ってほしかっただけやってん……」
「ごめんね、のんちゃん、今度はちゃんと起きる!」
なんだか、仲裁しなかった私たちが悪いことをした気分になりました。

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カミツレ(プロフ) - やんぴさん» 楽しみにしていただいているようでとてもうれしいです!いつも更新激遅で申し訳ないです(T-T)これからもよろしくお願いします! (12月2日 9時) (レス) id: 09f1bbf57a (このIDを非表示/違反報告)
やんぴ(プロフ) - 更新たくさんで嬉しいですー! (12月2日 2時) (レス) id: 622a51d340 (このIDを非表示/違反報告)
カミツレ(プロフ) - めぐさん» ありがとうございます!なかなか書く時間がなく…すみません…(T-T)できるだけ早く更新できるようがんばりますo(`^´*) (6月29日 22時) (レス) id: 09f1bbf57a (このIDを非表示/違反報告)
カミツレ(プロフ) - すーさん» ありがとうございます。更新頻度をあげたいと思っていますのでまたよろしくおねがいします! (3月2日 23時) (レス) id: 09f1bbf57a (このIDを非表示/違反報告)
すー - 更新楽しみにしてます(;;) (2020年2月29日 17時) (レス) id: e6c1d5125d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カミツレ | 作成日時:2020年1月1日 9時