関西家族物語。2

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GW明け、仕事の量は通常運転だったものの、やはり12連休は長すぎて、やる気はおきませんでした。


大毅はといえば、


「久しぶりの保育園や！」


と、超ハイテンションだったので、珍しく朝も自分から起きてきて、すごいスピードで準備を済ませてくれました。


朝は時間もなく、園に大毅を置いてくるだけなので、桐山先生に会えませんでした。


そこで、だるい体に鞭を打ち、定時で会社を出ました。


「すみません、いつもお世話になってます……」


「あ！お久しぶりです、こんばんは！」


桐山先生は、満面の笑みで私を迎えてくれました。


「先日は本当にすみませんでした……電話にも出られなくて。」


「いえいえ！ぜんっぜん大丈夫ですよ！お父さんにもはじめて会えましたし！」


「本当に、ご迷惑をお掛けしました……」


やっと謝罪ができて、少し心が軽くなった気がしました。


「家では、なにも言っていなかったので……まさか、泣くなんて……」


「あ、そのことなんすけど。」


桐山先生は、少しキョロキョロして、息子が遠くで遊んでいるのを確認し、声を潜めました。


「これ、絶対僕からきいたって言わないでくださいよ？大毅ね、お父さんと約束したらしいんです。」


「約束？」


「はい。『おとんがいないときは、大毅が代わりにおかんを守る。男やから、簡単には泣かへん。おとんとの男の約束や！』って。だから、たぶん、お母さんの前ではなにも言わなかったんですよ。僕、男だからって教えてもらえたんです。」


「な、なんやそれ……」


とっても嬉しいのですが、想像以上に恥ずかしい内容に、カッと顔が熱くなりました。


「あ、でも、どっか痛いときとかつらいときは、無理せずおかんに言わんと逆に迷惑かかるでって言っときました。だから、お母さんはなんもきいてないことにしてくださいね！」


桐山先生は、いたずらっ子のような顔でシー！と人差し指をたてて笑いました。

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