関西家族物語。

渋谷家 紫 緑 ページ38

※attention※
独立して一人で戦う彼と、偉大な社長を思わせる人物が登場し、それぞれの出来事を思い出す描写がございますので、読むかどうかの判断はご自身でお願いします。


〜〜〜


「さっき、おじいちゃんが亡くなったよ。」


そう、息子たちに告げたのは、私でした。


病院から連絡をもらい、


「旦那様に連絡を……」


と言われましたが、お義父様が体調を崩されてから、全く既読がつかず、電話しようにも常に圏外という状態が続いていました。


どこにいるのか、何をしているのか。


たくさんの人に、責めるように聞かれましたが、わからないものは、答えようがありません。


もちろん、お通夜にも、お葬式にも、彼は顔を出しませんでした。


当たり前のように、彼をなじる声が私の耳にも届きました。


私に届くということは、すなわち、息子たちにも届くということ。


既に成人している長男は、


「あんなん、無視しときゃええねん。」


と大人な対応をしてくれていましたが、高校生という難しい年頃の次男は、


「なんでおとんはこんなときにおらんねん。」


と、完全に壁を作ってしまいました。

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