関西家族物語。

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「大ちゃんもパパも、ありがとね？大ちゃん、そろそろ寝よっか？」


「ん……パパ、おやすみなさい……」


「おん、俺も、いっぱい怒ってごめんな？おやすみ。」


泣き疲れて、グズグズの大毅の手を引いて、望と共同で使っている子供部屋へ連れていきます。




いつもは、望が寝たあとは起きちゃうからと我慢してもらってる絵本。


「大ちゃん、今日は絵本何にする？」


「え……？」


いつも、のんちゃん優先でごめんね、って気持ちを込めて聞いてみると、大毅は、目を真ん丸にして、少し考えたあと、


「あんな、ママのももたろーさんと、トントンが良い。」


と、私の耳元でこしょこしょと囁きました。




ママのももたろーさん。


要するに、私のアレンジを加えて桃太郎を語れ、と。


一度望が寝たあとに絵本を読んでとぐずられたとき、私がウィスパーボイスでオリジナル浦島太郎を語ったのを、大毅は気に入ってしまったようです。


望に気遣いをしてくれたんでしょうが、なかなか体力のいる注文をしてくれました。


それにしても、望と同じ桃太郎というチョイスは、さすがというかなんと言うか。


……まぁ、今日は、大毅を甘やかすと決めたから、やってやりましょう。




「むかーしむかし、あるところに、……」

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