関西家族物語。

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「大ちゃん、ママね？大ちゃんものんちゃんも、おんなじくらい好きよ？」


百聞は一見に如かず、といいますが、今の私には、大毅に伝わるように、訴えかけるしか術はありません。


「嘘、嘘や……」


「本当。」


私は、ひくひく揺れる大毅の背中を撫でながら、わかってもらえるように、言葉を選びながら思いを紡ぎました。


「でも、大ちゃんは4歳までママのこと独り占めできたでしょ？のんちゃんは、ずーっと大ちゃんと半分半分だからさ、気づかないうちに、のんちゃんのことばっかりになっちゃうときがあるの。」


言いながらも、あぁ、なんて自分勝手な釈明、と嫌気が差します。


「でも、大ちゃんも寂しいもんね？ずーっと独り占めしてたのに、のんちゃんにママ取られちゃったら嫌だったね？ごめんね？」


ヒクヒク泣く大毅を抱きしめながら、ひたすら背中を撫で続けていると、大毅は、ポツポツと、思いを話してくれました。


「ママッ、べんきょ、わからんかったら聞いてね、言うた……」


「うん、前、そう言ったね」


「聞こ、思ったのに、望ばっか……」


「ごめんね。」


大毅の言うことは、すべて正しくて、否定するところはありません。肯定と、謝罪しか、私にできることはありませんでした。


「……でも……、」


「ん？」
「俺、ママ一人占めしとった、けど、望は、はんぶんこ、やから……許したる。」


そういって、私を見上げた大毅の頬には、かわいい笑窪ができていました。


「そっか。ありがとね。一緒に宿題やろっか？」


「うん！」


こんなことのあとでも、にこにこの笑顔で宿題を持ってくる大毅。


なんて良い子なんでしょう。


もう、親バカといわれても仕方ないです。


それくらい、うちの子がかわいく感じました。

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