平凡少女はトリップする2 (ページ49)

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仇仇ページ49

新「そんでよぉ！平助が！」

貴方「そうなんですね」

新八は少し酔っているのか、原田や平助、斎藤達の事を永遠話す。
Aはそれを聞きながら、お酒を嗜む

新「おいお前さん、顔真っ赤だぜ」

貴方「え、そうですか？」

貴方(確かに顔が熱く感じる……)

新「腹も膨れたし、もう帰るか。
酔っちまったら危ねぇからな」

貴方「はい！」

新「今日は俺が払っとくな」

貴方「あ、私も…！」

新「いいってことよ！」

貴方「でも……」

新「なら次来た時に頼むな」

新八は店内に響くように「お勘定！」と叫び
店子に金を渡す

新「よし、行くぞ」

貴方「ありがとうございます！」

お礼を言うと、立ち上がる
だが

貴方(あれ…？)

Aは足元がふらつき、前のめりに倒れそうになる。目を瞑り衝撃を耐えるようにする

新「っぶねぇ！！」

だが新八が後ろからAの手を掴み、自分の方へと引き寄せる

ポスン、そんな音と共にAはゆっくりと目を開ける。後ろを見ると、新八が焦った顔をして立っていた

貴方「あ、ありがとうございます…！」

新「たく、気を付けろよ」

貴方「はい……」

Aは下を向くと、少しユラユラと揺れる地面が見え目を擦る

新「ほら」

新八はその様子に気付いたのか、Aに背中を見せるようにしゃがむ

貴方「？？？」

新「おんぶだよ、おんぶ」

貴方「お気づかいなく！私はまだ歩けます！」

新「ふらついてるやつが何言ってんだ
いいから乗れ」

いつもと変わらない男らしい笑顔を浮かべ、
Aは根気負けした。新八の上へ乗ると
新八はAの太ももに手を回し、立ち上がる

貴方「すみません…」

新「気にすんな」

周りから少し見られ、Aは恥ずかしそうに
新八の肩に顔を埋める

貴方(あ…いい匂い。
なんか草原って感じの自然な匂い)

程よくお酒が回っていた為、揺れる身体、風の音、新八の匂い、全てに睡眠効果があった

貴方「いい匂いだなぁ…落ち着く…
新八さんありがとう…」

新「おう」

新八は後ろを振り向かず前だけ向いて歩く

貴方(なんか……こんなの夢みたい。
好きで好きで憧れていたキャラに背負わられるなんて…私、やっぱり皆が好き。この背中を守りたい…私は…私は本当に皆を守りたい、だって)

貴方「す…き…なの」

それを最後にAは深い深い眠りにつく