仇参 ページ43
貴方「ふぁ……ねむい……」
夜中、トイレに行きたくなり目が覚めた
おばあちゃんかな？なんて思いながら起き上がり
外に出ると、新八が縁側に座っていた、
新「うお、わり」
新八はそれに気付くと、「起こしたか？」と聞いてきたが説明をすると、安心した顔をする
貴方「あれ？こんな時間にどうしたんですか？」
新「あー、少し眠れなくてな……」
新八の片手にはお酒を持っており
それを少しづつ呑んでいるようだった
貴方「なんか悩みですか？」
新「まぁそんなところだ」
貴方「聞きますよ。
別にそこまで早く厠に行きたいわけじゃないし」
新「すまねぇな」
貴方「気にしないで下さい」
Aはそう言うと、新八の横に座る
貴方「今日は冷え込みますね」
新「あぁ」
貴方「何で悩んでたんですか？」
新「これからのこと……だな」
貴方「…変わりましたもんね。新撰組も」
新「俺は今新選組は何を目指してるのか分からなくなっちまった」
貴方「分かりますよ。私も変化が嫌いですもん。でも一つだけ言うとするならば、新八さんは新八さんなりの行動をすればいい、ただそれだけです」
新「…俺なりの？」
貴方「はい。国も時代も人もかわる。それは仕方ないし、誰にも止められない」
新「…」
貴方「なら1分1秒、自分が満足する時間を過ごせばいい」
新「1分1秒…か」
貴方「周りが変わると自分が置いてかれてる感じがするんです」
新「その気持ち痛いほど分かるぜ」
貴方「でも、変わらなきゃ何も始まらないってのも分かってはいるんです」
その言葉に新八は考え込む
貴方「ゆっくりでいい、自分が納得するように変化したらいいんです。確かに誰か一人は貴方を否定するかもしれません。でも、貴方は貴方だ。新八さんは自分の色を大切にしてください」
Aの言葉に新八は首を傾げる
新「俺の色？」
貴方「優しくていつも自然で、どんな時でも負けん気が凄くて、そしてなにより新撰組を…皆を力強く守ってくれる……そんな色です」
新「皆を…か…。
よし、お前さんのことも守ってやるよ」
貴方「ありがとうございます」
Aは立ち上がると新八に声をかけ
厠へ歩いていく
戻ってくる頃にはもう新八は居なかった
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作者名：白バラ | 作成日時：2021年4月17日 5時
