彼女役…2… (ページ47)

今日:18 hit、昨日:1 hit、合計:41,569 hit

番外編４～大倉side～ページ47

父)忠義？

忠義)おとん、話があんねん。

父)分かった。

　
決意は固まった、あの日に。

　

その“あの日”はつい２日…もう２日もまえのこと。

　
…ことごとくヘタレ全開やな。
　

土曜日ということもあってか帰ってくる時間は早く、

外は紅く色付いていた。

父)久しぶりに外食でもしようか。

優しく微笑むおとんに少し胸がいたむ。

忠義)Aとおかんは？

外に出て気づいた俺も大概だと思う。

父)たまには男同士でいこーや((笑

ちょっとだけ。

ほんのちょっとだけおとんがカッコよく見えた。

ホントにちょっとだけ。

そんなおとんと辿り着いたのは、

忠義)…居酒屋？

赤いちょうちんとのれんが際立つ。

手馴れたように中に入るおとん。

ぁ、あれ？俺、未成年やけどええんやか？

まぁ、お酒飲むわけやないけど…ん？あれ？

父)何しとるんか？はよ入れ。

忠義)ぁ、おん。

促されて店内に足を踏み入れる。

店内からは独特のお酒の匂いはなく、

食欲を楚々られる匂いが漂っていた。

カウンター席に座るおとんの隣に腰を下ろす。

父)おやじ、こいつになんかよろしく。

おやじと呼ばれた人は優しそうな風靡で俺の顔を見て二カッと笑った。

父)ここのおやじで相澤徳(あいざわとく)。ずっと前に声なくしてんだ。

おとんは懐かしそうに話す。

父)ま、料理は格別に美味いからな((笑

その言葉が終わる頃に俺の前に料理が出された。

居酒屋らしい、と言ってしまえばそうなる。

一人前のお造りとご飯、豚の角煮やらが並んだ。

時間が経てば、それはお皿だけが残った。

忠義)…美味しかったぁ～♪

父)だろ？((笑

おとんとは食べながらいろんな話をした。

俺の子供の頃の話や、おとんの学生時代の話も。

父)さ、そろそろ本題に入るか。

そうだった、ちゃんと俺の気持言わな…。

忠義)ぉ、俺さ…

予想以上に自分の声が小さかった。

しっかりしろ、俺!!!

おとんは、ちゃんと聞いてくれとるんやから。

　
　
忠義)俺さ―――――――――