#12 ページ14
沈黙。
気まずい。
かたん、と無機質な音がした。
Aが近くの空いている椅子に腰掛けたようだ。
「…真くん。私の家は代々、陰陽師一家。
元を辿れば初代は安倍晴明。
そこから本家は分裂を繰り返し、分家を生んだ。
綾瀬家は、唯一の純血直系。つまり本家よ」
今まで見たこともないような真剣な表情で、現実味のないことをさらさらと口から出していく。
なにを言ってるんだ、この馬鹿は。
「…は、はぁ?お前、どうした?とうとう頭おかしく…」
「信じてくれないよね、こんなこと言っても。でも本当なの。…知られたくなかったけどね」
さみしそうに目線を外される。
なぜそんな顔をするのだろう。
「…なんで?」
「知られてしまえば、もう一緒にいれないから」
「え…!?どうゆうことだよ!?」
勢い余って、ガタンっと立ち上がってしまった。
座っていた椅子が大きな音を立てて倒れる。
しかし、Aの表情は変わらない。
「……誰にも、言ってなかったの。でも、今あなたに言ってしまった。真くんはわからないだろうけど、この学校にも…ううん、今いる教室にも私たち以外の奴らがいる」
「い、ない…だろ」
「そいつら、人間じゃないの。私たち陰陽師の敵対するべき相手…つまり、怨霊」
ぞくっとした。
鳥肌が立つ。
「陰陽師のルールよ。そいつらに素性を聞かれてはならない。聞かれてしまえば、一緒にいる人に災いが訪れる。つまり、真くんってこと」
「Aは…大丈夫なのか?」
「私は大丈夫。自分のことは守れるわ。でも真くんとはいつも一緒にいれるわけじゃない。守れない。
だから私と離れて。
危ないわ、一緒にいたら」
「なに勝手なこと言ってんだよ‼︎‼︎」
Aの肩がびくっと震えたのがわかった。
「わかって、真くん。陰陽師の血を残すためには陰陽師との子を成さないといけない。いつかはこうなる運命だったのよ私たちは。ただその時が来るのが少し早かっただけ」
やべ、泣きそう。
いつの間に俺たちはこんなに離れていたのか。
「…俺が、陰陽師になればいんだろ?」
「え?」
咄嗟に出た信じられない言葉は確かに俺の口から発せられていた。
「え、だ…から、俺が陰陽師になればAとも一緒にいれるし…とりあえず丸く収まるんだろ?」
Aは目を丸くして驚く。
そりゃそうだわな。
俺だって意味わかんねーもん。
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←#11
35人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
実春(プロフ) - そっかw待ち遠しいねw (2013年6月6日 23時) (レス) id: 14b2300736 (このIDを非表示/違反報告)
実春(プロフ) - おおっw楽しみにしてるよーw (2013年6月6日 21時) (レス) id: 14b2300736 (このIDを非表示/違反報告)
実春(プロフ) - 親とお兄様もでてきたwwうっわ絶対イケメンそうだねwお兄様w (2013年6月6日 21時) (レス) id: 14b2300736 (このIDを非表示/違反報告)
実春(プロフ) - リア充はこの世に存在してはいけないはずなのになぜに居るwwあ、兄がPC使うそうなのでおちるねw更新ガンバww (2013年6月5日 23時) (レス) id: 14b2300736 (このIDを非表示/違反報告)
実春(プロフ) - だよねーw可愛いな、おいww (2013年6月5日 23時) (レス) id: 14b2300736 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サクラ色 | 作成日時:2013年5月31日 21時