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義母と上司(芥川) ページ25

貴女side

治さんに耳元で囁かれて
体に力が入らない

ふと龍くんの方を見ると龍くんも私を見つめていた
我に返って
『あ、ごめんね。痛かったよね、傷出して』
と微笑みかけると
「今夜も太宰さんの所に行かれるのですね」
と返された



言われるとは思わなかった言葉に思わずバッと龍くんを見上げると何処か寂しげに笑っていた。


『龍くん…?如何したの?』
何処かおかしいと思って尋ねると
「もう僕の傷の手当て等しなくて結構。
あと訓練にも来ぬよう。」

そう言うとバタンと戸を閉めて出ていってしまった。

―――――――――
数刻後 芥川side

さっきAさんが太宰さんの部屋に入って行く音を聞いた。

太宰さんは尊敬して、拾ってくれたことに感謝しているのだが
いつもAを傍に置いて
自分のモノだと主張せんばかりに
Aに人の前で絡むのが嫌なのだ



そして今だってすぐ近くで太宰さんが彼女と戯れているのが気に食わない

嗚呼、Aを奪いたくて仕方ない―!!





――――――――――――――――――
貴女side

別れの日は唐突だった
太宰幹部が居なくなったと皆が騒いでいるが
絶望と悲しみでそれどころでなかった
誰も居なくなった治さんの部屋でぼうっと放心状態で椅子に腰掛けているとドアが叩かれた

「僕です。Aさん、ここにおいでか。」
龍くん。あの日以来少し距離をとっている……


『えぇ……どうぞ』
ギイとドアが開く音と共に龍くんが入ってきた

「Aさん……お辛いでしょう…?急に愛する人が居なくなって…何の相談も無しに…」

私に情をかけているような言い方だが目が違う
肉食獣のそれだった

『龍くん…!!如何したの!!あの日から変だよ!!』

そう言って逃げようとすると後ろから抱き竦められた

「僕のモノになりませんか…。僕なら悲しい思いはさせませぬ……」

『私はそれでも治さんを…!!ンッ』

言いかけた所で唇が唇で塞がれた。

『んッ……ァ…ん…』
くちゅ、という音が耳に入り、口には唾液が絡む
心の線を切ってしまうには十分なキス。

「あなたは裏切られたも同然。太宰さんは不実な人だったということでしょう。それならば僕で意趣返しでもなさればいい。」
妖しく笑う龍くんの胸元に私は飛び込んだ

その夜二つの影が重なった…

――
その頃
「面白い展開にしてくれたじゃないか芥川君」
盗聴器のその向こうで怒りに目をぎらつかせた太宰が言った
「必ず迎えに行くよA……。」

筆者より(許してくだざいだずげでぐだざい)→←義母と上司(芥川)



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小悪魔 - Kanonさん» お世話になっております!スマホの機種変更して新しくやらせて頂いています!リクエストして良いでしょうか?福沢諭吉さんと夢野久作をお願いします!ゆっくりで良いので頑張って下さいね! (2017年7月9日 12時) (レス) id: dad805e2b0 (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔 - Kanonさん» いえいえ!私の方こそ本当にご無理な事言ってすみません。本当に有難う御座いました! (2017年7月4日 21時) (レス) id: 65ffb71be6 (このIDを非表示/違反報告)
Kanon(プロフ) - 小悪魔さん» そう言って頂けると嬉しいです!ありがとうございます! (2017年7月4日 21時) (レス) id: d58a2ddfa1 (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔 - Kanonさん» 七夕バージョンの敦くんの小説を書いて下さり有難うございます!凄く良かったです!有難う御座いました! (2017年7月4日 21時) (レス) id: 65ffb71be6 (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔 - Kanonさん» 有難うございます!宜しくお願い致します! (2017年7月4日 19時) (レス) id: 65ffb71be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kanon | 作成日時:2016年12月25日 0時

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