【男主】彼女より友達

バレンタイン ページ5

時刻は午前10時。まだ俺はベッドの中にいた。寝始めたのは午前3時。正直、まだ眠い俺は



(特に予定ないし…寝よう)



と再び眠りにつく事にしたが…



ピンホーン。



タイミング悪くインターフォンが鳴る。



居留守すれば良いや。と瞳を閉じた。そのまま夢の中に入ろうとした時



ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。



「「「「Aく〜ん！遊びま〜しょう！」」」」



ピンポーンを連打され、大声で叫ぶキヨ達の声に…仕方なく玄関に向かう。



ガチャと玄関のドアを開けると



「「「「ハッピーバレンタイン」」」」



キヨ、フジ、ヒラ、こーすけが声を合わせて言った。



『…近所迷惑です。帰って下さい』



俺は、そう言ってドアを閉めようとする。



「閉めんな！閉めんな！」



慌ててキヨがドアを抑え、その隙に勝手にキヨ達が家に入って来る。



『……俺、眠いんだけど』

「チョコくれたら寝ても良いよ」



爽やかな笑顔で言うフジに苛立つ。



『はぁ？チョコ？』

「ほら、今日はバレンタインだから」

「A、俺達にチョコくれるって言ったじゃん」

『あー……』



そういえば先日、チョコをくれくれ煩いフジ達にあげると言った事を思い出す。



『………』

「え、もしかして…ないの？」

「まさかね…」

「A…まじか…」

「え、用意してねーの？」




キヨにはあげる約束をしてないから、良いとして…大袈裟にショックな表情をする3人に良心が痛む。



『はい…チョコ』



俺は冷蔵庫に入っていたチロルチョコをフジ、ヒラ、こーすけにあげる。



「チロルチョコじゃん」

『チョコはチョコだから』

「まぁ、そうだけど」

『文句は受け付けてませーん』

「うわぁ…ガッカリだわ」

『じゃぁ、あげたから…おやすみ』



チロルチョコだって、ちゃんとしたチョコだ。一応約束は守った。これで、良心も痛まなくなったし…無視して寝ようと寝室に向かう。



「A、俺もらってないけど」



そう言って俺の後をキヨが付いてくる。



『キヨには、チョコあげる約束してないじゃん』

「俺だけ仲間外れで可哀想だと思わないわけ？」

『思わない』



ベッドに潜り込んで



『どうせ、女の子達から貰ってるから要らないだろ』



キヨに言った。



「俺は…Aから貰いたかったんだよ」



キヨの言葉に、それどういう意味だ？と思ったけど…眠気の誘惑に負け俺は夢の中に入った。



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チョコ→←チョコが欲しい男達

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