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夢主視点
芝健の家に着いた。
芝健の後に続いて家に入る。
芝「ごめんね、散らかってて…。
適当なところに座ってて?
救急箱取ってくるから。」
「…うん。」
床の上に体育座りしながらぼんやり
していると、芝健が救急箱を持ってきた。
芝「さて、と。 まずは消毒からだね。
染みるかもしれないけど、我慢してね。」
「………。」
芝健はテキパキと手際よく
左腕の傷を手当てしてくれた。
芝「…よし。これでOK。」
「…ありがとう…。
…芝健も、殴られたとこ手当てしないと…。」
芝「あ、大丈夫だよ。冷やせば平気!」
芝健は全然怒る素振りも見せなかった。
全然気にしてないように見えるその表情に
胸の辺りがギュッと締め上げられるように
酷く痛んだ。
「……ごめんなさい…。」
芝「? え、なんで謝るの?」
「…だって…私のせいで…。」
私の細い声に芝健は目をぱちくりとさせてから
真剣な表情になった。
芝「…いや、それは全然気にしてないから
大丈夫だけど…あの人ってさ、もしかして…、
親戚の人?」
「………、うん、従兄弟…。
私が高校の頃まで、一緒に暮らしてたの。」
芝「…なんで、Aの家の
場所知ってたんだろ…。」
「…分からない…。」
芝「…あのさ、A…。
俺らに何か隠してることない?」
「!!」
芝「…あるでしょ?」
「………。」
なんで、この人はこうも察しがいいのだろう?
気づいてたんだ。
私が親戚関係のことで悩んでること。
私は小さく息を吐き出した。
もう、隠し通せない。
この人にはきっと、隠し事なんて無理だ。
「…メールとか電話がね、届くの。
親戚の人達から。」
芝「!」
「「どこにいるんだ」とか、「帰ってこい」とか。
そんな内容ばっかり。…おかしいよね。
弁護士さんに「連絡してくるな」って言って
もらってるのに、まるで聞こえてないみたいに…。
朝も昼も夜も関係ないの。
寝てる時とかバイトの時とかもメールとか
電話が来る。
…まるで、「私に逃げ場なんてない」って
言いたげに…。」
芝「…もしかして、この前吐いてたのって…。」
「…うん。親戚の人からメールが来たから。」
芝「…なんで…話してくれなかったの?
そんな、吐くまで追い詰められてるのに…。」
その芝健の声には少しだけ低いように思えた。
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リマ - わわわわわわ!御採用とっても嬉しいです、ありがとうございます。スーサイドパレヱドかっこよくていいですよね…次のお話も楽しみにしてます!陰ながら応援してます!!! (2018年12月23日 0時) (レス) id: 7ca6700d69 (このIDを非表示/違反報告)
ムユ - コメント失礼します!撥条少女時計とかどうでしょうか。 (2018年12月16日 21時) (レス) id: 0352392d10 (このIDを非表示/違反報告)
カイム(プロフ) - コメント失礼致します。Blessingはいかがでしょう?うまくは言えないのですが、「生きて」という意味がこの小説に合うと思ったので。この小説大好きです!更新頑張ってください! (2018年12月16日 20時) (レス) id: 16f201e568 (このIDを非表示/違反報告)
tudumi1218(プロフ) - コメント失礼します!ローいりぽん先生らが踊ってたリングプレイゲームはどうですか?実際の動画とは人数は異なりますが…ご検討お願いします!! (2018年11月29日 13時) (レス) id: 83a06d5ecc (このIDを非表示/違反報告)
花家永夢(プロフ) - コメント失礼します。踊る曲であれば、「威風堂々」などいかがでしょうか? (2018年11月27日 23時) (レス) id: dcf179eb42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる | 作成日時:2018年7月14日 9時