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「うーん多分ストレス的なものだと思うよ。」
先生はこっちを向いてそう言った。
精神的なもの。身体の中が悪いわけではないようだ。
涙も咳も心から来る圧迫感によるもの。
だいぶ痩せてしかも精神的に参っている状態らしい、散々だ。
『あの、先生。これって兄達に、は、』
「秘密にしてあげたいのは山々なんだけどね、、」
病気。心が蝕まれている。
そんなはずはない、だって僕自身には特に変化はない。
心苦しさなどのしんどさに押し潰されそう、ということも無い。
『でも先生、僕は平気です。たまたま、偶然、』
そう、偶然。
必然ではない。然るべき事ではないのだ。
心の奥底は崩れそうでも側面が大丈夫なら全てが壊れることはない。
現に今僕はこうして家族を想って生きている。
ガラッ
「、ハァッ、は、A、」
『ど、ぽ、、さん?』
すごい勢いで開いたドアに目をやると息の切れた独歩さんが立っていた。
そうか、電話したから。
『あ、ごめんなさい。ほんと、あの、』
「よかったっ、、!!電話、Aすごい苦しそうだったから、!」
そんなに泣きそうな顔をしないで欲しい。何故だろう。この間少し会って、家に泊まっただけなのに。
どうしてこんなに優しいのだろう。
「一二三も心配してたから、いや、怒ってたな。無理すんなって言ったのに!ってな、、」
『それは、、、ごめんなさい、、』
謝ってばっかだな、でもまあ今回の件は僕が悪いのだから仕方が無い。
「先生、Aはどうなんですか?、」
「そうだね、、少し危険かもしれないが本人の気の持ちようだからね。私にははっきりとしたことは言えないよ。」
僕の、気の持ちよう。
僕がしっかりしていれば先生や独歩さん、左馬刻さんにも迷惑をかけることはなかったのか。
僕の心が弱すぎるせいで。
僕のせいで。
「A、、あの、俺が言うのもなんだけど、、あまり自分を責めちゃダメだぞ、あっ、ほんと、俺が言える立場じゃないけど、、、」
「いや、彼にはそう言う励まし、周りからの愛が大切なんだ。抱き締めてあげるのが1番の治療法かな、ふふ」
そういった簡単な方法でも、根気よくしていくことが大事、とさっきも言われた。
いつも愛されているのにこの状態ってのは気になるけども。
沢山愛されていることには自信はあるのだが一体どうしてこんな事になったのか、分からない。
あの行為は遠因ではあるだろうがそれだけではない気がどこかでしていた。
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リエル(プロフ) - ううううううううう…終わってしまった… (2019年4月3日 23時) (レス) id: 4f0744403a (このIDを非表示/違反報告)
春斗(プロフ) - わあああ独歩とのおまけ有難う御座います好きですぅぅ…………兄弟もとい家族愛的な関係とてもよきですた……何かあった時に一郎達とは別に頼れるお兄さんで優しく見守っててくれる感じがとても微笑ましいというかもう尊い……有難う御座いました(*´ω`*) (2019年3月27日 2時) (レス) id: 8cfab7cc4c (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 既に投票済みです……だと……?! (2019年3月1日 16時) (レス) id: 77336b66d1 (このIDを非表示/違反報告)
春斗(プロフ) - それと、もし宜しければ独歩とのおまけもあの…是非……!!!!!!! (2019年3月1日 2時) (レス) id: 8cfab7cc4c (このIDを非表示/違反報告)
春斗(プロフ) - コメント失礼致します。ドシリアスな中にちょいちょい挟まれるギャグがとても良い味を出してて、あの、全体的に好きです。(語彙力)取り敢えず四男君をずっとあれしてた男はウサポリ公にガチでしょっぴかれてたら良いなって思いました。 (2019年3月1日 2時) (レス) id: 8cfab7cc4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:須臾 | 作成日時:2018年12月5日 22時