doughy_ju×t_juside ページ9
2人で座るソファの上
愛しい彼を後ろから
抱きしめながら
そのぷにぷにしたお腹に触れる
最近は食事制限を頑張っているからか
前よりはぷにぷに感がない
それがちょっと寂しくなる
(この感覚、気持ちいいんだよなぁ…)
『そんだけ触っていいのは
樹だけだからね』
仕方ないなぁ…と笑って
そう言ってくれたのは
とうに昔のこと
特別俺にだけ触ることを
許してくれているのが
心地よくて気がつくと触っている
『樹、触りすぎでしょ？』
ちょっと照れて
くしゃっと笑いながら
振り返る横顔にどきっとする
こんなシーンは
正直何度も見たけど
彼が振り向く姿が美しくて…
それだけ、彼は
今までの中で特別
正直振り回されてる
『YouTubeでも触ってくるし
もうそろそろ禁止するよ』
そうやって前を向き直して
頬を膨らます
ひとつひとつが可愛くて愛おしい
「きょもー今日は泊まってく？」
『そのつもりで来たけど
明日昼から撮影だっけ？』
そういいながら
ズボンのポケットから
携帯を取り出して調べ始める
やっぱお昼からか…
何時に出れば間に合うから…
独り言を言いながら
あごに手を当てて
考えてこんでいる
最近俺は舞台
きょもは舞台のあと撮影と
これだけゆっくり時間を
２人で共有できるのは久しぶり
「きょーもー」
耳元でささやきながら
携帯をスクロールする手に
俺の手を重ねる
『なに？』
声のする方へ振り向いた彼と
唇を重ねる
徐々に深くなる口づけに
彼が俺の首に手を回してくる
もっと近づきたくて
頭を撫でながらきつく抱きしめる
とろんとし始める目に
その表情に
「…かわいい」と声が漏れる
「ねぇ、電話の時
このこと考えてた？」
赤くなった顔を背けて
逃げようとする彼を
追いかけていく
長くて短い夜は
まだ始まったばかり
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作者名：かのん | 作成日時：2022年9月17日 22時
