すとーんずのshort story (ページ42)

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嗜む_s×y_Y Side ページ42

久しぶりに２人での仕事

『今日飲みいかね？』
という彼の誘いに
「久しぶりじゃない？
　今日ならいいよ」
と答える

俺はあまりお酒は強くない
慎太郎は飲み始めてから
徐々に強くなっていったから
いろんな種類を飲んでいる

それをお勧めされるのは
結構楽しかったりする

「慎太郎が飲むなら
　俺もちょっと飲むよ」
というが酔った勢いを
借りたいなというのが本音

この気持ちに気づいたのは
いつのことだったかわからない
でも確実に意識したのは
お酒の席だった

いつになく飲みすぎて
いつも通り笑い上戸になりすぎて
慎太郎の肩で寝てしまって

それを送ってくれて
ベットに寝かせる所まで
世話してくれた
その腕を引っ張って
胸に顔を埋めた

髪を優しく撫でたその手や
顔を埋めた胸の暖かさと
そこで一気に慎太郎が好きなんだ
と気付かされた

でも朝になって
正気に戻った俺は
理由をつけて謝った

酔っ払いの行動なら
許されるだろうと

でも気づいてしまった気持ちは
ちょっと揺らせば溢れるくらい

『ねぇこーちこれ、
　結構美味しいんだけど飲んでみる？』

差し出された日本酒は
香りが良くて
度数は高いのに飲みやすい

「これ香りもいいし飲みやすいね」
『でしょ？ロケで勧められて
　おいしかったからさ』

顔が赤くなるのを感じる

『ちょっと強かったでしょ？』
「うーん、でも美味しいから」
『じゃあ、これプレゼント』
『香りもいいって言ってたし
　入浴剤にしてもいいと思う』
「ありがとう」
と言いながら嬉しくて
大切に飲もうと受け取る

食事を食べ切る頃には
ほろ酔いの状態だった

足取りがおぼつかない
でも意識はしっかりしている

『こーち心配だから送ってく』

と一緒にタクシーに乗り込む
街のライトに照らされる
慎太郎がカッコ良くて
このまま一緒にいたいと思う

「ねぇ慎太郎、中まで送って」

鍵を渡して開けてもらう
意識はしっかりしてる
酔っ払っているふりをしても
今ならきっとバレない

ベットで寝たふりをすると
慎太郎の手が髪をすく
その手がくすぐったい

もっとしてほしいけど
その思いに反して
ベットから立ち上がろうとする

離れたくなくて腕を引っ張って
ベットに引き込む
首に腕を回して
引き寄せて唇を重ねる

バレないかひやひやしながら
胸に顔を埋める

『どうしよう、好き
　もっとしたいって言ったら怒る？』

その声にびっくりして顔を上げる
やば、寝たふりしてたんだった

『やっぱ起きてた』

軽く笑うと唇が重なった