振る舞う_t×je_jeSide ページ40
今日は俺の家で大我が待つ日
前に『俺に料理振る舞って』
って言ったままかれこれ
半年という期間が過ぎていた
ドラマの撮影が長引きそうで
合鍵を使って入ってもらっている
何を作ってくれるのか
楽しみで仕方ない
”あとちょっとで着くよ”
と送迎車の中でメッセージする
家について鍵を開けて
部屋に入る
「大我、ただいま」
大我がいるときは少しでも
一緒にいる感じを出したくてそう伝える
『おかえり』
振り向いた彼がそういう
その顔を捕まえて軽くキスをする
最初は照れていた彼が
慣れてきてサラッと受け取る
『ほら、荷物おいてきて』
美味しそうな匂いが漂う
食卓に惹かれつつ
はーいと言いながら
部屋着に着替える
仕事中も可愛いと格好いいの
ギャップを見せつけてくる
こうやってオフの時は
完全に彼氏モードだ
これは俺だけの特権
「これもこれも美味しい」
一口ずつ感想を伝える
だって大我が俺のために作ったんだよ
それだけで美味しい
黙々と食べて気づいたら
用意したものはなくなっていた
「ごちそうさまでした、おいしかった
そういえば…」
最近食べれていなかった
スイーツを買ってきた
減量中なのは知っているから
減量中でも気にせず食べれるやつ
『俺、食べれないよ』
当然の返事だったので
食べられるための方法も
一緒におすすめする
「糖質オフだし、食べても大丈夫」
これしたらチャラだよ
と筋トレメニューもつける
無理に減量なんて
本当はしてほしくないけど
そういうストイックなところも
尊敬しているし好きだ
でも今日はせっかく２人だけの時間だから
彼氏モードを満喫したい
「ねぇ、今日は俺のことも
甘やかしてくれるよね」
大我の口にクリームがついてる
それを舌で舐めとって
そうやって囁く
『仕方ないな、ちょっとだけね』
「えーちょっと？」
ちょっとなのかと残念になりながら
そうつぶやくと大我から
キスが降ってきた
存分に甘やかしてもらおう
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作者名：かのん | 作成日時：2022年9月17日 22時
