ご機嫌取り_ju×t_t side ページ36
今日は久しぶりのラジオ
基本的にはマネージャーが
次の日の予定を考えて
ラジオのスケジュールが決められる
ただ今回はグループ仕事が
止まったりの影響で
ハードなスケジュールになった
これに関してはどうしようもないし
プロだからこそやり切らなきゃいけない
明日の撮影はそこまででないし
多分大丈夫だろうと思いつつ
whip thatが流れるのに任せて
明日のことに文句を言う
もちろんラジオ用のネタだ
樹がそれに対して
突っ込むのが心地いい
こういうとき必ず樹は
俺のいいようにしてくれて
甘やかしてくれる
これがメンバーにもつ
感情以上の感情からきていることは
いくら鈍感でも気づく
でも爆モテじゅったんのことだ
心変わりなんていくらでもありえる
だからなんとも思ってないふりをする
「樹！ねぇもうなんか言ってよ」
バナナをブースに持ち込んで
もぐもぐしていたら
CM中作家の方に咎められて
そう助けを求める
『いや、それはきょもが悪いでしょ？
家じゃないんだからさ』
樹は味方してくれると思ったけど
違っていて顔をふくらまして
もういいよ！と拗ねる
『ほら困らせるなよ
もうそろそろあけるよ』
食べかけのバナナを置いて
いそいそとヘッドフォンをつけ始める
樹がうまく回してくれて
ラジオは滞りなく終わった
「樹、じゃあ今日は帰るね！」
『ちょっと待って、家までおくる』
この時間は一番リラックスできる
樹が俺の話を聞いてくれて
愛されてると実感するから
でも今日は眠さが限界で…
「ねぇ、今日は寝ても大丈夫？」
『起こすから大丈夫、ゆっくり休みな』
帽子を深く被って
明日のために睡眠をとろうとする
今日は全く寝れなくて
でもそのまま目をとじる
『俺を一番にしてよ、大事にするから』
多分聞かれてないと思っている
その言葉ににやけてしまう
もう直接言ってほしい
焦ったいなぁと思いながらも
確かな言葉を言わせない俺は臆病だ
樹のちょっと冷たい手が
頬に触れている
この手を掴んでしまいたい
欲求にかられるが我慢する
…それをするのは
もっと俺に夢中になってからだ
『きょもついたよ』
一つ伸びをして車を降りる
『ドラマ終わったら
美味しいところいこう、調べとくから』
「やった！樹、ありがとう、じゃあね！」
ずいぶん先の予定でも
予定ができたことに嬉しくなる
扉を閉めた後見送ろうとして
はっと思い立つ
「ねぇ樹、ご飯の時隠してること教えて」
それだけ言ってまた扉を閉める
次の反応が楽しみだ
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作者名：かのん | 作成日時：2022年9月17日 22時
