cheese_h×y_hside ページ11
「こーち、ちょっとこっち見て」
ブログに載せようと
写真を撮り始める
先に慎太郎を撮ったら
変顔をし始めて
収集がつかなくなり
こーちをとることにする
『やぁだよ、
ブログに載せるんだろ？』
と言いながら、
流し目でこっちを見る
(…なんだ、結局乗る気じゃん)
と思いながら、
一枚写真を撮って
そのままブログに載せる
『北斗、どれ載せるか見せて？』
と携帯をもつ
手を掴んでくる
こーちには内緒にしたい
画面を開いていたから
咄嗟にその手を払ってしまう
「っ…ごめ…」
『うわぁ、俺傷ついたわ…』
と大声で言うもんだから
メンバーが集まってくる
こーちがかわいそうだろ
と冗談混じりに責められて
「ごめん、こーち」
と真剣に謝る
(でもこれだけは
見せるわけにいかない)
もうすぐ舞台も終わり
テレビ出演も多くて
司会もやることが決まってて
忙しかった彼を労いたくて
サプライズでプレゼントをしたくて
この１ヶ月ずっと考えてた
普段は俺の方が
ワンコなんて言われてるけど
2人きりになった時は
俺よりワンコみたいに甘える
この前はYouTubeで
俺が樹に頭を撫でられて
その顔が気に入らないと
駄々をこねていた
(あれ、可愛かったなぁ…)
思い出して顔が綻ぶ
これは俺だけが知ってる顔だから
でも、最近は
嫉妬されすぎでいるし
少しだけ態度がぎこちない
ひとしきり責めきって
満足したのか
こーちが隣に座ってくる
『何考えてた？』
小声で聞いてきたから
「…別に」
とそっけなく答える
『俺にだけ見せる笑顔
こんなところで出さないでよ』
耳元でそんな
可愛いことを言ってくるから
メンバーがいるのに
抱きしめそうになる
でも、メンバーには内緒だから
その代わりに近くにあった手に
手を重ねて軽く撫でる
『…北斗、ダメだって』
「あなた拗ねてるから、ご機嫌とり」
誤魔化すけど本音は
ただ、触れたいだけ
(サプライズうまくいくといいな)
と思いながら、
もう少しだけと
その手を深く繋いだ
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作者名：かのん | 作成日時：2022年9月17日 22時
