君が好き。 Shori_Sato (ページ10)

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君が好き 10 ページ10

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私は走って乱れた前髪を整えながら彼の隣に並んだ。

彼は私を見た。

そして少し目を見開いてそのあとふわっと微笑んだ。
前髪が前より短くて、気づく

イケメンだ…

「この前の？」

まさか彼から話しかけられるとは思わなくって

「え？」

と聞き返してしまう。

「…麦わら帽子」

少し自信なさげに俯いて言う彼。

やっぱり…あのときの男の子だ。

「覚えててくれたんですね」

私は精一杯笑って見せた。

ほんとはもっと聞きたいことあった。

どうしてここにいるの？

今日からこの学校なの？

いつからいたの？

名前は？

でもひとつも聞けなくて

ジリジリと照りつける朝の太陽が

私の心もジリジリと燃やしていく。

「もー！Aマリウスどうにかして！」

聡たちがやっと追いつく。

そして私の隣の彼を見て驚く。

「だ、誰だ…？」

聡が猿みたいな顔するからつい笑っちゃう。

「今日から転校してくる佐藤勝利っていいます。」

…佐藤勝利くんって言うんだ。

「僕マリウス葉だよ～！よろしくね！」

マリは佐藤くんの手をブンブンと振った。

佐藤くんは若干引き気味。

「俺、松島聡！同い年？？」

「うーん、と…」