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君が好き 33 ページ33
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私の腕を引いて海を上がる佐藤くん。
「ひとりで帰れよ。俺の家じゃないから」
「そんなこと言わないで…
もう佐藤くんの家なんだよ。私たちの家に帰るの！！」
「お前に何が分かるんだよ！！！」
佐藤くんが怒鳴る。
「何もわかんねえくせに…もうほっといてよ」
「…なんにも分からないよ。分からないけど…
私にとって佐藤くんは特別なんだよ。
大切なんだよ。
だから、行かないでほしい。
ひとりで寂しいところに行かないで。」
私は佐藤くんの目を見つめて言った。
佐藤くんの大きな目から涙がこぼれ落ちた。
「…ごめん」
そう言ってゆっくり私を抱きしめる。
佐藤くんの肩が震えてるのが分かる。
ああ、泣いてるんだって。
私は佐藤くんの背中をさすった。
大丈夫だよ。って伝わるように。
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作者名：花音 | 作成日時：2017年10月21日 18時
