君が好き。 Shori_Sato (ページ19)

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君が好き 19 ページ19

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あの日から私たちはギクシャクした。

消しゴムを落としたら拾ってくれる。

寝てたら起こしてくれる。

でもたったそれだけで、必要事項しか話さない。

「中島さん」って呼ぶ優しい声ももう聞こえない。

寂しい。寂しい。

季節はすぎてもうブレザーを着る頃になった。

「よし、じゃあ席替えするぞー」

終わりの会で先生が言う。

この席、これでおしまいか…

佐藤くんともうちょっと話せたら良かったな。

私はくじを引いてその席に座った。

周りは神宮寺と岸、ありさがいて

私的にはいい席だった。

でも佐藤くんとは離れちゃったし、もう話すこともないんだろう。

消しゴム落としたって、拾ってもらえないし、
寝てたって、起こされることもない。

私はその日の帰り道、1人で帰った。

バス停まで歩くと

そこには佐藤くんと城内さん。

佐藤くんは私に気づいてぱっと目をそらし、気まずそうにした。

そんな露骨にしなくたっていいじゃん。

私はふたりの存在を無視するように来たバスに乗りこんだ。

付き合ってるってことなんでしょ？

いいじゃん。

城内さん可愛いし、私より全然お似合いだよ。

私は零れそうな涙に気づいた。

どうしてこんなに寂しい思いしてんだろ。

私たち別に何も無かったじゃん

私が勝手に好きになっちゃっただけじゃん。