君が好き LAST Sato_Shori

君が好き 1 ページ1

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季節が過ぎるのはほんとに早い。


もうブレザーを着る季節。


受験はどんどん追い込み期間に入ってて


受験が終わった人も増えたきた。


そんな中、今日合格発表があり、

勝利も受験が終わった。




「勝利、おめでとう」



「ありがとう」



嬉しそうに笑う



分かってた


もうこの笑顔が見れなくなることも分かってた


勝利から聞いていたのは


お父さんと華那さんの家に戻って大学生活を送るってこと。

もうこの家に戻ってこないってこと。

この島にも戻ってこないってこと。





「いつ戻るの？」


「今週末には。」


「そっか」


私は勝利が幸せならって思うことしか出来なかった



下に行くとお母さんが勝利の合格祝いのケーキを作ってた。


「あらA。あんたは勉強まだでしょー？」


お母さんは、わかりやすい。


泣いたあとすぐに目が赤くなるから。



「勝利、今週末には居なくなるって」



「分かってるわよー。だからご馳走作ってるの」



「もう戻ってこないんだって」


「そうね。」


「もう、傘も靴も机も、もう、使わないんだよ？」





お母さんは私をそっと抱きしめた。



「寂しいね。

でも、勝利くんの本当の親は私たちではないし、この家も本当の家ではないの

私達は見送ることしかできないの」



言い聞かせるように言うお母さん。

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