さくらの姫君、愛される【乙骨憂太】 (ページ34)

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さくらの姫君美奈の縁切りページ34

加茂「美奈さん」

美奈「加茂先輩、今日はありがとうございます」

加茂「こちらこそ、ありがとう

本来であれば嫁入り前の娘を逢瀬に誘うなどあってはならないことだが」

美奈「大丈夫ですよ、加茂先輩」

貴女「ダブルデートなんて、初めて」

乙骨「ね」

美奈「花火なんて久しぶりだよ」

加茂「私もだ」

貴女「手持ち花火くらいしかしたことないけど」

乙骨「僕も久しぶりだなぁ」

花火が始まる

美しい花火に目を奪われている

加茂「美奈さん」

美奈「はい」

加茂「私はこの逢瀬をすごく楽しみにしていました、美奈さんに会いたいと思っていたので」

美奈「実は私もすごく楽しみにしていました」

加茂「美奈さんは私では嫌ですか？」

美奈「！？」

加茂「相語らうのは」

美奈「嫌じゃないです」

加茂「よろしいですか？」

美奈「はい、よろしくお願いします」

貴女「良かった、美奈」

美奈「！

名前、ありがとう」

乙骨「(あんなに頑なに拒んでたのに、仲良くなってる、良かった)」

加茂「美奈、と呼んでもいいだろうか」

美奈「はい

私も憲紀さんと呼ばせてください」

加茂「敬語もなしだ」

美奈「うん」

この日初めて美奈は緋咲家を裏切った

その事が彼女の母親にバレるのはすぐだった