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「わっ、ちょ…なーに、恥ずかしいの?」
『そう、だよ……』
「この間もっと恥ずかしいことしたのに?」
『う、うるさいっ!』
耳元に無一郎くんの息がかかってくすぐったい。
もちろんそんな風になっているのは、私が彼に体を預けているからなんだけど。
あまりに恥ずかしくて、顔を隠すにはこうするしかなかったんだよ。
うん。そうそう。
「ほんと恥ずかしがり屋だなぁ、Aは昔から。」
『うぅ……言わないで…』
「そんな所も好きだけどね。」
『ありがと』
「どういたしまして。
それより…また大きくなった?」
『吹き飛ばされたいのかな?』
「それは嫌だけど…だって事実でしょ」
『なってません。やめてよ、もう…』
「この体制が悪いよね。
って言っても、退くつもりないだろうけど…」
『へへ、正解。意外と落ち着くんだよ』
そう、意外と落ち着くんだよ
この体制。
無一郎くんに体を預けているこの体制!
無一郎くんの匂い近くてかげるし←
恥ずかしいけど、顔見られなくて済むし。
何より、無一郎くんに抱きついていられるから幸せ。
「でも僕顔みたいな。」
『んん〜、私はこの体制が好き。』
「Aも僕の顔見れないよ?」
『今抱きついてるから大丈夫っ…』
「何それー!可愛すぎるんだけど…」
『可愛くないから…お世辞はいらないよ〜』
「何言ってるの。
僕の彼女なんだもん。世界一可愛いに決まってるでしょ!」
『っ………ばか……』
気力なさげに呟いたその声は、無一郎くんの耳にしっかり届いたみたいで
そんな弱々しく言われても、可愛いだけだよ
って耳打ちされた。
だめだっ!
私の心臓が持たないっ!?
「あれ、いいの?この体制好きなんじゃないの?」
『も、無理ぃ……』
「じゃあ、僕が今度は後ろから抱きつくね。」
そう言って私を前に向かせ、無一郎くんはバックハグしてきた。
あっ…………これは、ダメだ。
こっちの方が恥ずかしい。
うぅ、、無一郎くんといるとドキドキしっぱなしだよ。
ほんとに。
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