１２４＋響く怒号、澄んだ瞳 ページ37
＋＋＋伊東歌詞太郎side＋＋＋
「は…？な、に言ってんだよ、歌詞さん」
あからさまに動揺している天月君。
僕の言っていることが信じられないとでも言うような顔だけど、
ただ自分の気持ちを偽っているだけだと気付いていないのだろうか。
「俺は、女を好きになったりなんて…」
「じゃあ聞くけど、僕がAちゃんと話してたとき
胸が苦しかったのはどうして？ずっともやもやしてたんでしょ」
「…そんな、こと」
「Aちゃんが絡まれたときの話、焦るように聞き出したのは？」
さっきから天月君の行動は変なんだ。
あの子のことが好きだという事実がなければ、
結びつかないものばかり。
…それでも、彼は頑なに想いを隠そうとしている。
「どうしてそこまで隠そうとするの？」
「……」
「…あの時のこと、まだ怒ってるのかな」
“あの時”。
僕と天月君と、―――そしてあの子にとって、
絶対に忘れることのできない時間。
僕は、自ら天月君のことを傷つけてしまった。
それだけはしないようにと誓っていたのに。
…まだ恨まれていたって、文句なんて言えない。
「…るさい」
「許してもらおうなんて思ってないけど、
あの時のことがあったからこそ、天月君には幸せに…」
「うるさいっつってんだろ！」
彼の怒鳴り声が聞こえて、
気付いたら彼に胸倉をつかまれていた。
やっぱり僕には、どうすることもできないんだ。
「…あの時の話とか、今更するなよ」
「……っ、ごめん」
『あれ、２人とも…どうかしました？』
ぎすぎすとした空気の中、澄んだ綺麗な声が響いた。
手にはお店の袋が提げられていて。
心配そうに僕達を見つめる瞳は、
矢張り、『あの子』と重なって見える。
なんていうのも、僕の勝手な妄想かもしれないけど。
ふと天月君の方を見ると、
なんでもないよ、とAちゃんに言ってから
誰かに電話をかけているようだった。
.
ねえ、天月君。
そんなに自分を責めすぎないでいいんだよ。
周りには、君を大切に想ってくれる人が
たくさんいるんだから。
追い込んじゃだめだよ。
…なんて、僕が言えたことじゃないけどさ。
続く (更新停止中)
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灰猫ノン＠ETAファイナル余韻(プロフ) - luna@luzさん» コメントありがとうございます！知っていただけて嬉しいです。luz君はこれから活躍させる予定なので（予定）、こうご期待ください！（自分からハードル上げてくタイプ） (2016年6月18日 11時) (
レス) id: ab1c730870 (このIDを非表示/違反報告)
luna@luz - 初コメ失礼します!私この作品を2.3日前に知って読んでて本当にめっちゃ面白いです!!luz君も出てきててめっちゃ嬉しいです!!これからも応援してます、頑張って下さい!(´∀`*) (2016年6月15日 12時) (レス) id: be6989119f (このIDを非表示/違反報告)
灰猫ノン＠ETAファイナル余韻(プロフ) - ましゅるさん» いえいえ！あ、友達の方のアカウントで返信しちゃってました笑 もちろんです！お願いします！ (2016年6月6日 19時) (レス) id: b78e2e0e78 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅる(プロフ) - ふぃるさん» わわ、ありがとうございます！こみゅーの方で友達申請してもいいですか?? (2016年6月6日 19時) (レス) id: 53f6d6eced (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - ましゅるさん» ましゅるさんの作品すっごい好きです！私なんかでよければ、もちろんお願いします！ (2016年6月6日 17時) (レス) id: ab1c730870 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫ノン | 作成日時：2014年8月18日 11時
