雪男となにわのお姫様をお守りする女の子 2

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2人がはるちゃんを連れて出てってからどれくらいが経ったやろうか。
たった数分にも感じるし、数十分にも感じた。
汐栞ちゃんはゆっくりと深呼吸を繰り返してた。

普段は明るくて、笑顔を絶やさない汐栞ちゃんのこんな姿を見るのは初めてやった。

西｢汐栞｣

汐｢うん。分かっとる。大丈夫やから。

整理してただけ。


それにもうほとんど桜詩が話しとるから｣

そう言った汐栞ちゃんの顔は、いつもの真面目な話をする時の顔に戻ってた。

汐｢神楽の命令だったとはいえ、やっぱり立ち合わせていた男たちはみんな罪悪感に追われてた。

もちろん、その人たちやって、ちゃんと罰せられてる。

本人に直接会って謝らせていただけませんか。
そう何度も事務所に来ては頭を下げてたってジャニーさんが言ってて、

でも、さすがに直接は、ってなってドア越しに声だけの会話をしたらしい。

何度も謝る男たちに、桜詩は"もうしなければそれでいい。この事件の事を誰にも話さなければそれでいい"って言ったんや。

でも、そんなことでいいのか、と。桜詩が優しいだけだ。ってなったらしく、後日、『これで許されるなんて思ってもいませんが、治療費に当ててください。』とお金を持ってきて、『足りなかったら言って下さい。一生をかけてお返しします。でも、私たちが何度も行くことで、ストレスを与えるわけにもいきませんから、今日で最後にします。でも、何かあったら遠慮なく言って下さい。悪いのは私たちですから』って社長に頭を下げた。｣

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