飛信隊の軍師.2 ページ1
すると、楽しそうな彼女の笑顔が冷たい瞳に変わる。
A「魏国の女性に手を振って、
ヘラヘラしてる恬なんか知りません〜!
行こっ!陸仙!」
そう言って、馬から降りて挨拶する陸仙の腕に
自分の腕を絡めて歩き出す。
陸仙 「A様っっ!!///」
「夢みたいだ…」と一瞬にして憧れの女性との未来を思い描くも、背後から鬼ように主君に睨まれては敵わない。
蒙恬 「(陸仙コロス…!)
Aっ〜〜!!誤解なんだって!!
俺にはAしかいないからー!!」
A「薄情な人の言葉は聞こえません!」
蒙恬 「そんなっ!本当許してっ〜!!」泣
グイグイと引っ張られる力に負けて、なんとか千鳥足になりながらついて行く陸仙だったが、Aの顔が真っ赤で涙目なのに気づいた。
陸仙 「(A様…
もしや、蒙恬様と女達に嫉妬を…??)」
やはり、ここは情けなく追いかけてくる主君の為にも自分が人肌脱ぐしかないと悟る。
陸仙 「あ〜〜。
そう言えば、A様もご存知でしょうか?
ここより南、里井の前線地帯にいる飛信隊なんですが
何でも連戦連敗で、
隊長の信は千人将剥奪の危機らしいんですよ」
A・蒙恬 「「…えっ!?」」
飛信隊の単語に足を止めてくれたAに
一安心する。
アダム 「里井の前線地帯って言えば、
馬で半日くらいの場所だろ…」
あの飛信隊が連戦連敗…
羌瘣が抜けた事による穴がありそう。
初陣を彼らと共に経験したAは、
人ごとではなく、彼らの助けになりたいと
その場所に行くことを決めた。生憎する事もないし。
これは、チャンス…!と閃いた賢い蒙恬は、
陸仙が引っ張られることをいいことに、
先ほどまで彼が乗っていた馬に乗り、
真っ先に駆けつけたいであろうAに手を差し伸べる。
蒙恬 「…俺が悪かったよ。お姫様。
一緒に飛信隊の様子、見に行かない?
俺も山陽では彼らに借りがあるし…」
そう言って微笑めば、
ますます「むすっ」とした顔になったA。
そんな彼女は珍しいし、
…先生や呂不韋でさえ、彼女にこんな顔をさせられない。彼女を知る自分だからこそ…色んな表情を引き出せるのだと、場違いにちょっと感動した。
俺も大概、重症だ……。
だが、手を取って馬に乗ってくれたのは
唯一の救いだった。
自然と腰に回された腕が触れ合う部分が
熱くなる。
101人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ありす - この作品おもしろくて、大好きで、一気読みしてしまいました、、。こんな最高な作品を作ってくれてありがとうございます!! (2月13日 22時) (レス) id: a49b00a8c0 (このIDを非表示/違反報告)
さや - 最高におもしろかったです!!素敵な年末をありがとうございました!! (12月27日 19時) (レス) id: 190fd29e8b (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココ(プロフ) - 現在深夜4時🥺♡面白くてずっと読んでました♡続き楽しみにしております🙇♀️😊 (10月21日 6時) (レス) @page8 id: bb115dbd7a (このIDを非表示/違反報告)
かもる(プロフ) - このシリーズがとても好きです。お身体に差し障りがなければ続きが読みたいです。 (2022年5月31日 0時) (レス) id: 71b936d7a8 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - 続き気になる 合従軍編のシーン作って欲しいです (2021年11月29日 22時) (レス) @page10 id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:09kokoa | 作成日時:2020年11月11日 16時