飛信隊の軍師 ページ50
山陽の端、里燕城
陸仙 「蒙恬様」
蒙恬 「おー戻ったか!お疲れさん。戦果は?」
陸仙 「いつも通り。
適当に山へ押し返しましたよ」
蒙恬 「さすが一番隊隊長!
ところでさ、陸仙。
魏国の女性って、やっぱりどこか華やかだよね。
都会だし、みんな美人に見える」
陸仙 「そうですか?
…私には、
目の前に絶世の美女は一人しか見えませんけどね」
蒙恬 「ええっ?!…お前がそんな事言うなんて
珍しいなっ!…ついに陸仙にも良い相手が……」
そう言って、陸仙の眺める方向を
楽しげに振り向くと、その視界の先の人物を見て
石のように固まる蒙恬。
いつの間にか、キャーキャーと蒙恬に黄色の声をかけていた魏国の女性達も、その人物を見た瞬間に、目をハートにしてそちらに歓声を上げる。
他国の女達ですら、虜にする人物とは…
蒙恬 「…Aっ!なんでここに…!?」汗
浮気現場を見られたかのように、背筋が凍り
変な汗が身体中から出てしょうがない。
長年、彼女一筋で他の女性は避けていたのに
ここに来て、この失敗は痛い!…と内心で自分をボコボコに殴った蒙恬。
当の本人は周りからの熱い眼差しにも、気付かないように髪を靡かせた。その上品な仕草に、周りからさらに黄色い悲鳴が上がる。彼女を囲む女兵士達の存在も華やかで、いつしか胡蝶隊のAは、他国の城の人々でも耳にする超有名人となっていた。
A「あれ?…恬と陸仙…?」
蒙恬 「…!!(よぉしししッ!!!
見られてない!!セーフ!!)
やぁー!こんな所で会うなんて、奇遇だね。
A!…これも運命的かな?」
陸仙 「…!!(蒙恬様!!
よくもまぁ、そんなスラスラと軽口が出てきて!
本当にこの人は…!)」
久しぶりに見たA様は、普段よく来てる真紅の色ではなく、碧色の着物を着ていた。
瞳と同じ蒼い色は、また彼女を美しく魅せた。
陸仙 「A様、お元気そうで何より!
五千人将になってからの
数々の武勇は聞き及んでおりますぞ!
お会いできて光栄です!」
A「陸仙も、元気そうで良かった!
…相変わらず、恬に振り回されてるの?
一番隊隊長も苦労が多いね」
陸仙 「ああ、A様!!
俺の苦労を分かってくれるなんて、
貴女はやはり女神にふさわしい…
蒙恬 「ちょっと!!陸仙ばっかりじゃなくて、
俺とも話してよ!A!」
ーーーーー
『月下美人の君.9』に続きます。
95人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イルカ - とっても面白いです!!続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます! (2020年11月11日 16時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます!明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね! (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの4?くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます!こっちか、外伝の方に書いてみますね! (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:09kokoa | 作成日時:2020年10月6日 22時