運否天賦.4 ページ36
Aの言葉は、聞いていた胡蝶隊の兵士一人一人の胸を震わせた。自分達の為に、命までかけた姫をどうして嫌いになれようか。部隊の誇りはきっと、隊長がAだという事だと全員が思った。
昌平君 「…資格は十分だ。…続きを」
流石に五千将まで抜擢するのは、やりすぎた想いもあったが、やはり彼女であればいずれそれ以上の値に付くのにふさわしい。
また呂不韋に難癖を付けられないように、
政が素早く宝剣を持ち、授与に入る。
Aも答えるように、
ずっとつかなかった膝をようやく着いた。
政 「…A。
お前にはいつも驚かされてばかりだ。
…だが、正式にこれで
お前を俺の剣として迎える事ができる」
A「…っ！…(剣(つるぎ)！)」
それは、ずっと父・王騎の剣になるべく
生きてきたAにとって、
ようやく鞘に納まるべき場所を
見つけた瞬間だった。
自分の目指す道は、大王様と同じーー
あなたの剣になるべく、これからは生きようと
改めて誓いを立てた。
A「……有難く」
あれだけ勇ましく勇敢だった少女だが、
嬉し涙が頬を伝う様子が、どこかか弱く、
神話のように美しくて…
圧倒されていた男達も、その頬を染めた。
昌平君 「続いて、三百人将 飛信隊 信！
…前へ(よくやったな。A
…これが終われば正式に嫁に来てもらうぞ)」
皆、ハラハラと見守っていたAと呂不韋の戦いも終わりどっと疲れが取れたようなため息に会場も包まれた。
この一件が、のちに女神として伝説になる
Aの始まりだった。
無事、授与が終わり安心して帰りを今か今かと待つ胡蝶隊の所へ向かうA。
すれ違いざま、
足と手が両方出て
笑いを誘って歩いている信と目があう。
二人だけが分かっているかのように、
その瞬間想いが通じあった。
信が笑いながら片手を上げるものだから、
Aも笑顔でその手を合わせた。
パチン…！と交わし合ったハイタッチは、
これからの秦国は、
若い世代が活躍するという確かな合図となった。
A「みんな、…ただいまっ！」
皆、半泣き状態の胡蝶隊の兵士達が一斉にAに覆いかぶさり、押しつぶされる中から騰や蒙恬に助けられながらも、彼女は誰よりも楽しそうに笑っていた。
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運否天賦：人の運命は天の定めによるということ
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イルカ - とっても面白いです！！続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます！ (2020年11月11日 16時) (
レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます！明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね！ (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの４？くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます！こっちか、外伝の方に書いてみますね！ (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年10月6日 22時
