運否天賦.2 ページ34
蔡沢 「ほぉ…(自分の理想は貫きつつ、丞相は勝ってもリスクがない上に、銭まで稼げる。
丞相の商売気質を見抜いたいい案じゃ。
頭は回るようだのぉ…)」
昌平君 「…(最初からこれが狙いだったのか？
…何手先まで読んでいた？)」
軍師学校時代、蒙恬と同じく早期認可を出したA。蒙恬と比べるとギリギリ…と言った所だった。作戦の立案、実行などは凡庸だったが…
一番彼女の才が輝いたのは、
未来予知にも近い「先読み」だった。
その異様に特化した能力によって、師である昌平君も負かしたことがあった。
普段は鈍感な癖に、戦闘の事になると異様に頭が回る彼女。もう少し、恋愛の方にも回してほしいと昌平君はため息をついた。
A「さぁ…！丞相、お答えを…」
兎を捕食しようとしていた蛇が、逆に蛇を飲み込もうとしている。いつの間にか王宮の雰囲気もA主導の風に逆転していた。
呂不韋 「フッ……フハハハハッ！！
これは…一杯食わされた。
A、お主の勝ちじゃァ！！」
久しぶりに腹から笑ったように、呂不韋の笑い声がしばらく王宮に響いた。
負けを認めたにしても、余裕な表情だった。
だが、呂不韋の発言によって
Aが慰み者になるだけは避けれたと知り、
ほっ…と息を吐く政や、
腰を抜かしたまま立ち上がれない昌文君。
警戒態勢を解いた騰や、真っ青な顔が少しにマシに戻った蒙恬や信がいた。
当の本人であるAは、
子どものように無邪気に、振り返って政に
笑いかけるものだから、
その笑顔を見た政も毒気をまるっと
抜かれたのだった。
昌文君 「ッとに！お主という馬鹿娘はァッ！！
どこまで馬鹿なのじゃァァァー！！！
大王様に心配ばかり掛けさせおってー！」
正気に戻った昌文君が、Aに向かって怒る。
戦友の忘形見が、こんな所で好き勝手されるのは、彼に取っても許せない事だった。
政 「…A、もう無茶はやめてくれ。
お前に何かあったら、俺は……」
A「心配かけて、ごめんね。…政
どうしても、引けなかったの…」
シュン…と肩を落とすAに、
無事、彼女が生きている事を改めて実感した政は、
公衆の面前であるにも関わらず、
その体を抱きしめた。
A「…わっ！///…せ、政っ！」
政 「お前が無事ならそれでいい！
だが、もう自分の身を賭けるのだけはやめてくれ」
A「うん…ごめんね…」
抱きしめた彼女からは、
甘い花の香りがした。
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イルカ - とっても面白いです！！続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます！ (2020年11月11日 16時) (
レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます！明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね！ (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの４？くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます！こっちか、外伝の方に書いてみますね！ (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年10月6日 22時
