pride ページ30
戦場を駆け巡る首領の祖母と違って、病気がちな母は幼き頃ずっとそばにいてくれた。優しい母が大好きだった。
いつも笑顔が絶えなくて、母が笑いかけるだけで
まわりに花が咲いたように、場が明るくなのだ。
そんな母だからだったのか、初めて見た真剣な表情が忘れられなかった。
灸 「………A」
母の透き通った声が頭の中に響く。
灸 「女が戦うと決めた時…
捨てなきゃいけないものは、いっぱいあるの。
でもね…一つだけ
絶対に捨ててはいけないものがあるのよ」
A「捨てちゃいけないもの？なーに？」
灸 「女はね、確かに男達よりも力は弱い。
気を抜いたら、良いように蹂躙されるか
あっという間に下僕にされるかもしれない。
…今の世は、まさにそういう世界よ。
そのか弱い女達が、戦場を渡って
上に勝ち登ろうとする時…
一番捨てちゃいけないものは、『プライド』よ。
跪(ひざまず)いて、
男の言いなりになるのは簡単だけど、
それは「生きてる」んじゃない…。
「生かされてるの」。
それを忘れないで…」
A「うーーーん。よく分からなかったけど…
うん！やくそくする！
Aはだれよりもつよい戦士になって、
ははうえやちちうえを守ってあげる！」
灸 「ふふっ…Aにはまだ早かったかしらね。
でも、A一族の女の大切な嗜みよ。
ちゃんと胸に刻みなさい。
…大好きよ、A」
母の言葉が身体中に駆け巡る。
今まさに、呂不韋に対にて片膝を着いてしまいそうな身体がピタ…と止まった。
A「わたしは……」
少しずつ…
自分の意思を取り戻していく音色に、
呂不韋がふと微笑みを消す。
A「…(母上。今なら分かるよ…。
戦場も王宮も…男達の世界。
女ってだけで、面白いくらいに標的にされる。
だから、A一族の女首領はそれを隠すように
分厚い鎧に身を包むのかな…。
…でも私は、こんな所で負けられない！
大切な人達を守るためにも。
女だからって甘く見てくる男達に、
弱者の反撃を見せてやる！！)」
女と言うだけで、標的にされるならば、
逆に女の身を利用して、
地位や権力を振りかざす男達を倒してやる。
跪くでもなく、対等に立ち
呂不韋を睨みつけるように
見つめる瞳は、
決して男に屈しない輝きがあった。
A「…丞相。
私と賭けをしませんか……？」
この戦いに武力は必要ない。
最後はAと呂不韋。
どちらが、強いかの勝負だ。
弱者の反撃ーBUMP OF CHICKENー→←柳緑花紅.8
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イルカ - とっても面白いです！！続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます！ (2020年11月11日 16時) (
レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます！明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね！ (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの４？くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます！こっちか、外伝の方に書いてみますね！ (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年10月6日 22時
