柳緑花紅.6 ページ27
救援に行った垣騎軍の野盗達も、皆Aの功績に声を張り上げた。
垣騎 「……フッ。あっという間に女神サマに
祭り上げられちまったな…」
後ろで聞いていた信と蒙恬も、開いた口が塞がらない。自分たちも一番近くであの場にいたというのに…。
蒙恬 「なんか話がデカすぎて…頭が混乱する。
なぁ…信。…っておい！」
信 「…Aが、五千人将…」ブツブツ
将軍を目指す自分よりも大差をつけて、
出世してしまった彼女へ、あまりのショックに色あせた信の体を「戻ってこい！」と激しく蒙恬が揺さぶる。
将軍から一般兵士、文官武官問わず異例の和睦に、
どよめきが止まらない。熱気が出てきたが、この男の一言で、皆口を紡ぐしかなくなる。
…本当に嵐のような論考行賞だ。
呂不韋 「これは、これは…。
李牧といい、廉頗といい、A殿は
よほど男を魅了する技をお持ちのようだ…」
面白そうに…まるで品定めするかのように
Aを見下してくる男が立ちはだかる。
秦国の丞相 呂不韋ーー
秦国一の地位と権力を持ち、
政(まつりごと)の実権を事実上、大王よりも
握っている男。
彼が口を開けば、皆黙って従うしかないのだ。
呂不韋 「女の身で五千人将など、大層な出世じゃ。
だか、噂ではA殿の率いる胡蝶隊に、
A一族を者が紛れているとかいないとか…」
呂不韋の発言に異様な空気が漂う。
その引き金となるのは、たった一人の少女。
文官 「…A一族とは！
全滅したのではなかったのか？！」
武官 「あの中華を激震させた、
伝説の暗殺一族が、なぜ今頃…」
Aという品の価値を定める事しか興味がないとでも言うように、外野の声を無視して呂不韋が進める。
呂不韋 「だが、困ったのぉ…。
A一族と言えば、元を辿れば王室直属部隊。
その者達が王室の為でなく、
他の目的で刃を振るうなど
国家への裏切り！！…まさに反逆に等しい。
斬首……あるいは一族諸共末代まで皆殺しか…
A殿はどう思われますかな？」
あろう事か…残虐非道なことをスラスラと話す呂不韋に、眉間に皺が寄っていくA。
この男は全てを知っている…。
全てを知って、楽しんでいるのだ。
…Aという玩具で。
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イルカ - とっても面白いです！！続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます！ (2020年11月11日 16時) (
レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます！明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね！ (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの４？くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます！こっちか、外伝の方に書いてみますね！ (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年10月6日 22時
