天姿国色 ページ11
廉頗 「止めじゃ!…帰るぞ。
……儂らの負けじゃ」
その一言に皆、動きを止めた。
蒙恬 「…(廉頗が)」
信「負けを……認めた…っ?!
勝ったのか…?…俺たちが…」
廉頗 「猩陀哭瓩犬磧¬驁ッ!!」
魏兵の全滅を回避する為、廉頗が条件を提示する。
和睦は勝者が決めるのは常だが、この男はどんな時でも勝者だった。
蒙驁 「相分かった!…和睦の申し入れ、
秦国総大将 蒙驁が受け入れようぞ!!」
この言葉だけだの取り交わしで、
多くの死者を出したこの戦も
秦国の勝利で幕を閉じたのだったーーーー
⭐⭐
廉頗 「こっちはこっちで、
話をつけておこうかのォ。
…A、お前も来い」
A「…っ…!?」
そう言うと、信に向かって廉頗が立ちはだかる。
信の肩を支えていた蒙恬が離れると、
素直に近づいて来たAの手を掴む。
A「…恬っ!……無事で良かった…」
蒙恬が介子坊に襲われそうな瞬間に、
頭に血が伸びって、
デタラメに力を発動してしまった。
…その反動で、
全身の力が抜け今にも倒れそうだった。
だが、生きている蒙恬の顔を久しぶりに見たら
嬉しくて、涙が頬を伝った。
そんな顔を見たら、
蒙恬の中の抑えていたものが弾け飛んだ。
Aを全身で抱きしめて
彼女が生きている証を確認するように、
彼女をすべてに触れて、掻き抱く。
見た目よりも力が弱くなっているAを
しっかり支え、おでこをくっつけて
その涙を止めるように…キスを落とした。
蒙恬 「………A」
A「恬っ!///」
廉頗&信 「「…おいッ(怒)!」」
イチャイチャし始める二人に、珍しく声が揃った。
仕切り直しだと、
咳払いをして廉頗が話を始める。
廉頗 「…A、儂と一緒に来ぬか。
その若さで四天王に匹敵する強さ。
それに加えて、
引けを取らない気高い精神力。
そなたは、まさに天姿国色と称するに
ふさわしい女の中の女だ。
…秦国にいた所で、
祖母と同じ運命を辿ることになるぞ」
その言葉に、Aを抱きしめたまま
守るように前に出た蒙恬。
まだまだ若造だが、その瞳は
大切な者を絶対に渡さないという
強い光を宿していた。
フン…と鼻で笑ってやると、
いつまでもAを独り占めしている蒙恬を
押しのけて、彼女を奪い取る男がいた。
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イルカ - とっても面白いです!!続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます! (2020年11月11日 16時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます!明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね! (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの4?くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます!こっちか、外伝の方に書いてみますね! (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:09kokoa | 作成日時:2020年10月6日 22時