悪夢.2 ページ16
蒙恬が撫でてくれたおかけで、やっと現実に戻ってきたことが分かった。…今まで見た地獄がまだ肌に残っているようで、現実ではないことが信じられない程にリアルな夢だった。
A「っ……恬っ………！」
怖くて、痛くて、辛かった…。
悪夢を見るだけで泣くなんて、子供みたいだったけど、それを気にする余裕もなかった。
蒙恬 「どうしたの？…大丈夫だよ。
もう怖がることなんて、何もない。
戦は俺たちが勝ったんだ」
しゃくりあげるように泣くAにも、
蒙恬は気にせず優しく微笑んだ。
思わず上半身を起こして、ぽす…と
蒙恬の胸板に抱きつく。
体の汗を拭こうとしてくれたせいか、半分脱がされていた着物が完全に肩から落ちた。
蒙恬の腕に抱きしめられて、彼の匂いに包まれた時にやっとAは息ができた。
…地獄のような夢だった。
女の身の自分なら起こり得ることと分かっていても、あんな事になるなら死んだ方がマシだ。
指通りのいいAの黒髪を
滑るように撫でる蒙恬。
戦ではあれだけ勇ましかった彼女も、こういう弱ってる所を自分に見せてくれるから嬉しくて…ほっとけない。俺が守らないと…と改めて思わされる。
だが、抱きついてきたAの肌も髪も顔も
可愛くて、柔らかで、スベスベしてて
悲しむ彼女には申し訳ないが、男して嬉しい。
蒙恬 「…よしよし(…不謹慎だけど、役得♡)」
A「…………恬、抱いて」
蒙恬 「もちろん…って、………へっ？！」
Aから言われた言葉の意味を理解するまでに、聡い頭脳でも数秒時間がかかる。もちろん女の子からそんな事を言われたら、喜んでー！という状況だが、まさか…このタイミングで長年の想い人からそんな事を言われるなど微塵も考えなかった。
これが、不意打ち…という奴なのか、
顔から湯気が出るのを隠せない蒙恬。
男してもっとリードしてカッコよくこなしたかったんのに…とAの顔を見ると、まだ息苦しそうに小さい口から荒い呼吸を繰り返していた。
…その瞬間に、理性が戻ってくる。
Aの額にちゅっとついばむようなキスを落として、再び寝かせた。
蒙恬 「…Aからそう言ってくれるのは、
めちゃくちゃ嬉しいし、俺だって男だから
本当は我慢したくないけど…
まず今は、熱を下げないとね。
今日は、これで我慢すること！」
寝かせて離れていく蒙恬のピンクの着物をぎゅ…と握る。今日のAはすごく甘えん坊だ。
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イルカ - とっても面白いです！！続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます！ (2020年11月11日 16時) (
レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます！明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね！ (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの４？くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます！こっちか、外伝の方に書いてみますね！ (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年10月6日 22時
