Breaking Dawn ページ23
真っ暗で人も動物も眠る夜が明け、
昇り来る太陽が山々を照らしていく。
蒙恬 「…………結局一睡も寝れなかったな」
隣ではこんな時でも、王賁が槍の鍛錬で修行をしている。季節も肌寒いというのに、彼の周りだけは熱気に満ちていた。
蒙恬はあれからずっとAのことを考えていた。
笑った顔や泣いてる顔、
怒った顔や拗ねた顔、
全部が全部、自分の一部になっていた。
この先何が起こるか分からないが、自分の気持ちに、道が見えた気がする。こんなに一人の女の子のことで頭悩ませて、考えるなんて…。しかもそれが嫌じゃないって所が重症だと、自分で自分に笑えてきた。
蒙恬 「…………王賁、俺病気かも。」
王賁 「…そうか。Aは俺が幸せにするから、お前は安らかに永眠しろ。」
蒙恬 「ええ〜?………余計死ねない」
面白くもないのに、フッと笑えてくるのは、きっと自分の中のジレンマに答えを見つけたからだと思う。
蒙恬「(お前もきっと同じ気持ちなんだろうけどさ、王賁。…悪いけど、俺。他の誰にもAを譲る気ないから)」
城を飛び出してから一夜明け、咸陽への下山の時間は刻一刻と迫って来ていた。
✴
A 「………ぅぅ、頭痛い。」
目が醒めると、楊端和から貰った服のまま寝てしまったことに気づいた。この時本人は気づいていなかったが、俗に言う二日酔いの状態で、昨日の記憶はぼんやりしていた。
Aは自分の服に着替え、天幕の外へ出て顔を洗った。
A「………よし!」
今日は下山の日。
自分が一族に戻るか否か、はっきりするために祖父の元へ足を進めた。
✴
楊端和と出会った城から、目と鼻の先にその建物はあった。豪華絢爛とまでは行かないが、山の民の集落の中では二番目に大きかった。
これもA一族が、戦で貢献してきた武功が大きい。
早朝にも関わらず、私が来るのを待っていたかのように祖父は大きな刀に両手をついて、中央に座っていた。ずっと会っていなかったのに、目と目をみれば不思議とお互いの考えていることが分かった。
A「………じい様」
龍 「……………決めたのか」
A「…はい」
そう言って祖父の前に跪くA。
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とも(プロフ) - ついに信が出てきた!絡みが待ちきれません…!!楽しみです! (2020年8月7日 21時) (レス) id: 2ea7dae655 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - あさん» コメありがとうます。嬉しいです。一応原作沿いで行きたいので、まだまだ道のりが長いです…。笑 色んなお話計画しているので、よかったらお付き合いください。 (2020年8月5日 17時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - あさん» 私も蒙恬一番好きです。でも書いていると王賁も不思議と好きになってきます。色んなキャラと絡ませていきたいので、複数ENDになるかもです、お楽しみに。 (2020年8月5日 17時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - ののかさん» コメありがとうございます。更新みてくれて嬉しいです。お気づきかもしれませんが、更新後は誤字脱字も多いので、ちょこちょこ修正してます(笑)これからもお楽しみください。 (2020年8月5日 17時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 蒙恬と王賁が好きすぎる…!この小説の言葉使いが上手で感動してます!この回で蒙恬と結ばれたら、王賁と結ばれる小説も次書いていただけたら本当に幸せです!!頑張ってくださいずっと応援してます!投稿楽しみです! (2020年8月5日 10時) (レス) id: 2ea7dae655 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:09kokoa | 作成日時:2020年8月2日 12時