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「じゃあ僕はそろそろ帰るよ」


ぺろりと胃もたれがする程のパフェを食べ終わった五条先生は立ち上がり流れるよう俺たちの分の会計もカードで支払った


何だか今日は五条先生の大人な部分ばかり見ている気がする…

普段はおちゃらけた面が目立っているが、やっぱり先生は大人で自分は子供だという差が浮き彫りとなってしまう



「これ。お土産にどうぞってさ」


ポン、と俺達の前に置かれたのは透明の袋に綺麗にラッピングされたマフィンだった
俺達は食事の手を止めて首をかしげる

おそらく店の女の人からなんだろうけど…さっきも試作だといってクッキーを貰ったばかりだし流石に申し訳ない

だけどクッキーはそりゃもうメチャクチャ旨かったし絶対コレも旨い
けど!と自分の中で葛藤する

伏黒と釘崎も悩む様子で目の前に置かれたマフィンを見ている


そんな俺達を見て五条先生は「ははっ」と笑った

サングラスの横から覗く瞳は知ってはいたが造形が良く、男の俺でも思わず目を奪われる
いや、ホント顔いいなー


「貰ってあげてよ。多分かわいー後輩に何かしたいだけだからさ」

「「「は?」」」

「さっきめっちゃくちゃ可愛くて綺麗な女の人いたでしょ?」

「いた!!」

「何、アンタそんな人のこと褒められる人間だったの?」

「野薔薇、僕そろそろ泣いちゃうよ?」


挙手をする俺の横でどうにも五条先生の印象が地を這っているらしい釘崎が突っ込む

伏黒は既に興味無さ気に食事を続けている





「あぁ、いいよ。こっちおいで」


ぞわりと
鳥肌が立った

普段の先生からは想像できない程、甘く優しい声
その表情はまるで蕩けんばかりで


先生は遠慮がちに顔を覗かせた、話題になっていた店の女の人に声を掛ける
近づいてきた女の人の白くて華奢な手を腫れ物を触るように優しくとると俺達に向かって言った


「紹介するよ。僕の奥さんの花子」



彼女は高専の卒業生なんだよ





続けた先生の言葉に、俺達は三人が三人とも手に持っていた箸を落とした



そのまま流れるように女の人の荷物を引き取った五条先生は、もう片方の手を女の人の腰に添え、それはもう一目見ただけで愛おしくて仕方がないと語るに落ちている態度で店を出て行く


二人の姿が完全に見えなくなるまで誰もが一言も言葉を発することは出来なかった

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夏蜜柑 - 初めまして。こちらの作品大好きです、この作品に出会えてよかったと思ってます✧˖°続き楽しみにお待ちしています! (2022年12月25日 1時) (レス) id: dd9c73cc8a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編嬉しいです(≧∇≦)⁎⁺˳✧༚楽しみにしてます! (2022年8月25日 14時) (レス) id: b22c7f7e5f (このIDを非表示/違反報告)
にき(プロフ) - わーい初コメですです。めちゃくちゃ面白いです!続編楽しみにしてます! (2022年8月20日 1時) (レス) @page50 id: 219a3eddad (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - ameyoさん» こんばんは!忘れた頃の返信でもうしわけないですっ。読んで貰えて感想までくださってとっても嬉しいです。ありがとうごさいます!(´▽`) (2022年8月20日 0時) (レス) @page50 id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
ameyo(プロフ) - 一気に読み進めてしまいました(^^)涙が止まらなくて止まらなくてとっても感動しました!ありがとうございます!こんな素敵な物語に出会えて感動です。後日談もっと読みたいです!お体に気をつけてください!更新楽しみにしてます! (2022年6月14日 2時) (レス) @page49 id: 9a4641eaa7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2021年4月26日 3時

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