▼ ページ41
「今まで録に誰とも話したことない女の子が流暢に話し出すんだよ。怖くない？」
おどけた様に両掌を上へ向ける瑞季さんに、アタシは言葉に詰まる
「多分誰かが話してるの遠くから聞いて覚えたんだろうけどね…だけどそれだけじゃなかった。一度だけ書いて教えてあげた字を…間違えることなく覚えるの」
それは物覚えが良いとかの次元じゃないな
しかし思い当たる節もあり、片手で口元を覆い高専時代の花子に思いを馳せた
高専は一般的な学業とは無縁に近く、時折補助の形でしか基礎学習を行っていない
だけど一度、夜峨学長が興味半分で花子に全国模試を受けさせた結果が頗る良かったらしく、小さく話題になったことがある
瑞季さんの話し通りの花子の境遇を考えると…それ本当に人間？レベルの話しである
「高専で受けた全国模試も一位だったしね」
結局あれ一位だったの？！
声は出さないものの仰天する私を見た瑞季さんは、私ににっこりと真意が分からない笑顔を見せた
「大体さ、悟くんの提案だったにしろ純粋に悟くんが好きってだけで籍入れられる？五条家当主で呪術界最強だよ。ぜっっったい無理」
「まぁ…普通は腰が引ける状況ではありますね」
相手があんなグズであっても、という隠された言葉に気付いてるのか瑞季さんは小さく笑った
「それをいくら悟くんの望みを叶えるためだって言っても当たり前に受け入れるなんて…相当イカれてないと無理だから。まぁお陰で旦那と結婚出来た私が言うのも何だけど」
「……」
「……それに悟くんさ、別に私のこと好きだった訳じゃないと思うしね」
「え？…いや、それは無いんじゃ…」
花子と拗れる前の悟は誰がどう見ても瑞季さんを思っていた
あれを恋と呼ばずに何というのか、それ程までに夢中だった
そこまで考えて、ふと一つの疑問が浮かんだ
悟の性格から考えて、好きになった人を奪おうともせずに尚且つ間接的に結婚するためのお膳立てまでするのだろうか
逆に好きでもない相手と結婚までするだろうか
無駄に頭が回るヤツだ、他にも策はあっただろう…だが敢えて一番面倒そうな事柄を選択した
一度浮かんだ疑問は中々消えてくれなかった
アタシの浮かんだ疑問を見透かすかの様に、瑞季さんは苦笑いを浮かべた
「最初はただ…私のことが好きなんだと思ってた。………だから、」
言葉を続けようとした瑞季さんはハッとして価値を嗣ぐんだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1646人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夏蜜柑 - 初めまして。こちらの作品大好きです、この作品に出会えてよかったと思ってます✧˖°続き楽しみにお待ちしています！ (2022年12月25日 1時) (
レス) id: dd9c73cc8a (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 続編嬉しいです(≧∇≦)⁎⁺˳✧༚楽しみにしてます！ (2022年8月25日 14時) (レス) id: b22c7f7e5f (このIDを非表示/違反報告)
にき(プロフ) - わーい初コメですです。めちゃくちゃ面白いです！続編楽しみにしてます！ (2022年8月20日 1時) (レス) @page50 id: 219a3eddad (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - ameyoさん» こんばんは！忘れた頃の返信でもうしわけないですっ。読んで貰えて感想までくださってとっても嬉しいです。ありがとうごさいます！(´▽｀) (2022年8月20日 0時) (レス) @page50 id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
ameyo(プロフ) - 一気に読み進めてしまいました(^^)涙が止まらなくて止まらなくてとっても感動しました！ありがとうございます！こんな素敵な物語に出会えて感動です。後日談もっと読みたいです！お体に気をつけてください！更新楽しみにしてます！ (2022年6月14日 2時) (レス) @page49 id: 9a4641eaa7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かのん | 作成日時：2021年4月26日 3時
