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「悟からたくさん『好き』を貰ってるから私は平気。でもたまに不安になっちゃうかもしれないから…その時は甘えさせてね?」
えへへ、と小首を傾げながら笑うと悟の蒼が更に狭まり再び大きな腕に抱き込まれた
いつ迄も慣れない、欲しくて欲しくて堪らなかった温もり
悟と触れ合っている皮膚から、じわりじわりと暖かさが全身を巡っていく
この温もりが離れていった時、私はどうするのだろうか
…考えるのは止めよう
そんなの答えの分かりきってること
今、こうして悟と一緒に居られる一瞬一瞬を大切にしたい
「不安にさせちゃった…?あのね、私もう悟から離れていかないよ。だから悟も…思うことがあるなら言って欲しい」
悟が私を大事に思ってくれていることは分かる
それくらい言葉や態度で示してくれてる
だけどそれと同じくらい遠慮してるのも知ってる
それが罪悪感からくるものなのか私には分からないが…だけど、これからも一緒に居たいと思ったから
全部知りたいなんて傲慢なことは思えないけど…
「我慢は…して欲しくない。悟が安心していられる場所になりたい。安心して貰えるくらい…強くなりたい」
切実に抱えている願いを口にすると、力強く、しかし優しく回されていた腕が弛められ先程よりも穏やかな表情をした悟が目に入った
「……ごめん。子供染みた感情で勝手に花子の気持ちを決めつけて」
はぁーっ、と幾分か気の抜けた表情で大きな溜め息をつく悟
声色からも緊張感が取り除かれていたた、私は安堵の息を溢した
「多分一番不安なってるのは僕だね。…上手くいかねーなぁ」
「ふふ、なぁに?それ」
「花子だけどんどん大人になっていくなーって話し。なんか僕だけ余裕なくて恥ずかしんだけど」
「…確かに悟はどんどん年齢逆行してるよね」
「こら、花子の前でだけだから」
コツンと優しく額を小突かれる
しかし、子供っぽくムッとした表情は一転
今度は艶やかな微笑みが浮かび、ドキリと胸が鳴った
…悟にときめかない日なんてくるのだろうか
取り敢えず今は想像も出来ない未来に思いを馳せた
「じゃあ、花子サン。悟少年の可愛ーい我が儘聞いてくれますか?」
「えと、」
「僕さー、初めてなんだよね。誰かの全部が知りたいって思ったも全部が知って欲しいって思ったのも。…もう濁すの止めるから教えてくれない?」
ーーーーー何で僕とするの嫌なの?
あまりの直球に今度は私の顔が盛大に歪んだ
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夏蜜柑 - 初めまして。こちらの作品大好きです、この作品に出会えてよかったと思ってます✧˖°続き楽しみにお待ちしています! (2022年12月25日 1時) (レス) id: dd9c73cc8a (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 続編嬉しいです(≧∇≦)⁎⁺˳✧༚楽しみにしてます! (2022年8月25日 14時) (レス) id: b22c7f7e5f (このIDを非表示/違反報告)
にき(プロフ) - わーい初コメですです。めちゃくちゃ面白いです!続編楽しみにしてます! (2022年8月20日 1時) (レス) @page50 id: 219a3eddad (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - ameyoさん» こんばんは!忘れた頃の返信でもうしわけないですっ。読んで貰えて感想までくださってとっても嬉しいです。ありがとうごさいます!(´▽`) (2022年8月20日 0時) (レス) @page50 id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
ameyo(プロフ) - 一気に読み進めてしまいました(^^)涙が止まらなくて止まらなくてとっても感動しました!ありがとうございます!こんな素敵な物語に出会えて感動です。後日談もっと読みたいです!お体に気をつけてください!更新楽しみにしてます! (2022年6月14日 2時) (レス) @page49 id: 9a4641eaa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かのん | 作成日時:2021年4月26日 3時