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「昨日花子ちゃんがバックヤードに荷物取りに言ってる時さ、…」
ポツリポツリと翔くんが話し出す
『どーも、君が『翔くん』?僕のカワイーいお嫁さんがお世話になってます』
『……はぁ、どうも』
『可愛いでしょ、僕の花子。無表情でも可愛いけどさ笑った顔なんか閉じ込めときたいくらいチョー可愛くってさ』
『……』
『幼少期が少し特殊でさ、やっと笑うようになってきたんだ。僕のお陰で』
『…何が言いたいんですか』
『花子が可愛く笑い掛けるのは俺だけで充分だよねってハナシ』
『あんまり出しゃばってんじゃねーぞ、クソザコが』
「…、みたいな会話があったんだよね」
「…………」
絶句
ぽっかん口を開けて語り部である翔くんを見る私の顔は、恐らく真っ青であろう
自分からサァーっと血の気が引く音を人生で初めて聞いた
今まで呪霊に遭遇した時でさえ一つも顔色を変えなかったというのに
「ご…、ごめんなさい……翔くん…」
「え…えぇ?!!そんなつもりで言ったんじゃないから!いや、何だコイツ、ぐらいは思ったけど気にしてはないし!!だから今にも首括りそうな顔しないで?!こっちこそごめん!!」
言いながらガシリと私の両肩を掴む翔くん
…そんな死にそうな顔してただろうか
そしてそれはどんな顔
驚きと申し訳なさで今にも店を飛び出して行きたい気分ではあるが
「俺が言いたいのは旦那さんは花子ちゃんのことめっちゃ好きだよねって話し!」
取り敢えずまとめられた言葉に私は目を瞬かせた
「……え?」
「え?」
少しの間を開けて返した私に翔くんもオウム返す
…悟と私は端から見たらそんな風な見えるんだろうか
私にとっての悟はただただ姉を思っていた
それはきっと誰の目から見ても火を見るより明らかで
気付いた時、私は全力で否定を込めた首をブンブンと振っていた
「…違うよ、本当に主人とはそんなんじゃないの。以外と独占欲が強い人だがら…失礼なこと言ってごめんなさい」
「えっと…俺(人)ちゃんと知り合って長くないけどさ」
言い淀む翔くんだが、それでも先を続ける
「花子ちゃんってスゴいなぁってくらい気が利くし、行動も早いじゃん?いつも助かってる。…………その上でさ、さっきも言ったけど…お互い恋愛感情がないなんて」
それ、本当で言ってる?
もう目を反らすのは止めようよ
懇願するように呟いたのは誰だっただろう
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夏蜜柑 - 初めまして。こちらの作品大好きです、この作品に出会えてよかったと思ってます✧˖°続き楽しみにお待ちしています! (2022年12月25日 1時) (レス) id: dd9c73cc8a (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 続編嬉しいです(≧∇≦)⁎⁺˳✧༚楽しみにしてます! (2022年8月25日 14時) (レス) id: b22c7f7e5f (このIDを非表示/違反報告)
にき(プロフ) - わーい初コメですです。めちゃくちゃ面白いです!続編楽しみにしてます! (2022年8月20日 1時) (レス) @page50 id: 219a3eddad (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - ameyoさん» こんばんは!忘れた頃の返信でもうしわけないですっ。読んで貰えて感想までくださってとっても嬉しいです。ありがとうごさいます!(´▽`) (2022年8月20日 0時) (レス) @page50 id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
ameyo(プロフ) - 一気に読み進めてしまいました(^^)涙が止まらなくて止まらなくてとっても感動しました!ありがとうございます!こんな素敵な物語に出会えて感動です。後日談もっと読みたいです!お体に気をつけてください!更新楽しみにしてます! (2022年6月14日 2時) (レス) @page49 id: 9a4641eaa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かのん | 作成日時:2021年4月26日 3時