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無「A、どれが可愛い?」
『え?えーと………これとか可愛い』
無「うん、似合うね……他は?」
『こ、これ……』
無「他は?」
『そ、そこの簪……』
無「他は?」
『………ちょっと待って!?「他は?」しか
言えなくなったの!?何がしたいの?無一郎
くんは!!!』
無「他は?」
・・・・・・・・
どうしたんだ、無一郎くんよ。
誰かに洗脳された?
お姉ちゃんが言っていた、
「血鬼術」とかいう術にかかったとか?
いや、そんな血鬼術無いよね。。。
『も、もう無いよ……私、物欲無い方だし…』
無「そっか。すいませーん」
店「はい、何でしょうか?」
無「これ、これとあれ、全部ください」
無一郎くんは、さっき私が可愛いと言った
簪達を指差しながら店員さんに言った。
店「ぜ、全部!?お買い上げ、ありがとう
ございます!!!」
『ちょっ!!!無一郎くん!!??』
無「何?」
『何、って……簪、3つも買ったら凄い値段
になるよ!?!?簪は1つだけでも、結構
良い値段するのに!!』
無「僕がAに買ってあげたいんだよ。
………そんなに僕から貰いたくないの?」
私の目を、寂しげに見つめてくる無一郎くん。
あぁ、こういう人が
「人間国宝」と言うのだろう。
私は慌てて、無一郎くんに言った。
『そっ、そんな訳ないよ!!!!!さっきも
言ったでしょ?無一郎くんがくれる物だったら
どんな物でも嬉しい、って』
無「だよね。今言った事はわざとだよ。A
は本当に可愛いね」
可愛いね、と言われ
どんどん顔に熱が集まってくる。
体は嘘がつけないようだ。
無「ははっ。Aの顔、凄く赤いよ?
やっぱりAは、すぐ顔に出るね」
『……………誰のせいだと思ってるの……』
モジモジと、私は無一郎くんに向けて言った。
すると、彼はまた
口角を上げ、笑顔で私の頭を撫でた。
「あらあら、良いわね〜。若くて」
「本当ね。ふふっ、可愛い夫婦だこと」
店の中で簪を見ていた熟年のおばさま達が
そう、私達の方を見て言った。
私はあまりにも恥ずかしくて、
顔を下に向けた。
無一郎くんは会計を済ませ、
手に袋を持って、私に駆け寄った。
無「はい」
無一郎くんが、私に袋を渡した。
私はあまりにも嬉しくて
無一郎くんに抱きついてしまった。
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真緒 - とても面白くて続きが楽しみです!頑張って下さい!! (2022年5月2日 23時) (レス) @page6 id: d533a9e97d (このIDを非表示/違反報告)
智焚氣 - 更新楽しみにしてます! (2021年10月24日 13時) (レス) @page29 id: c4dfd681b0 (このIDを非表示/違反報告)
僕バナなぁ(プロフ) - 更新待ってます! (2020年6月28日 15時) (レス) id: e9a1e390fd (このIDを非表示/違反報告)
KANON(プロフ) - こゆきさん» ありがとうございます!! (2020年1月30日 18時) (レス) id: ed2b24d1e9 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき - とても面白いです!続き待ってます! 頑張ってください!( ≧∀≦)ノ (2020年1月30日 15時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KANON | 作成日時:2019年12月3日 18時